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May 24, 2007 Vol. 356 No. 21

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院外発生の呼吸窮迫症に対する二次救命処置
Advanced Life Support for Out-of-Hospital Respiratory Distress

I.G. Stiell and Others

背景

呼吸窮迫症は,救急医療(EMS)隊員により病院へ搬送される患者でよくみられる症状の 1 つである.このような患者に対する二次救命処置の有用性は十分に確立していない.

方 法

オンタリオ・プレホスピタル二次救命処置(Ontario Prehospital Advanced Life Support;OPALS)研究は,15 の都市で,院外発生の呼吸窮迫症患者に対して二次救命処置を行うプログラムの施行前後に行われた比較臨床試験である.救急救命士は,気管内挿管や静脈内投与薬の投与など,標準的な二次救命処置について訓練を受けた.

結 果

第 1 期,第 2 期の患者 8,138 例の臨床的特徴に差はみられなかった.第 1 期に,二次救命処置の訓練を受けた救急救命士から処置を受けた患者はいなかった.第 2 期には,患者の 56.6%が二次救命処置を受けた.第 2 期において,気管内挿管は患者の 1.4%で施行され,静脈内投与薬は患者の 15.0%に投与された.第 2 期の特徴として,症状緩和のためのサルブタモールの噴霧投与とニトログリセリンの舌下投与がかなり多かった.全患者における死亡率は,一次救命処置のみを行った期間から二次救命処置を行った期間にかけて,14.3%から 12.4%(絶対差 1.9%,95%信頼区間 [CI] 0.4~3.4,P=0.01)へと顕著に低下した(補正オッズ比 1.3,95% CI 1.1~1.5).

結 論

院外で行う二次救命処置介入における特殊なレジメンを,一次救命処置を行う現行の EMS システムに加えることで,呼吸窮迫症患者の死亡率が 1.9 パーセントポイント低下した.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2007; 356 : 2156 - 64. )