The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

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日本語アブストラクト

January 25, 2007 Vol. 356 No. 4

重度の移植片対宿主病における予防投与としてのポサコナゾールとフルコナゾールの比較
Posaconazole or Fluconazole for Prophylaxis in Severe Graft-versus-Host Disease

A.J. Ullmann and Others

背景

侵襲性真菌感染は,同種造血幹細胞移植後の合併症と死亡の重大な原因である.

方 法

国際的無作為化二重盲検試験において,免疫抑制療法を受けている移植片対宿主病(GVHD)患者を対象に,侵襲性真菌感染に対する予防投与としてのポサコナゾール(posaconazole)とフルコナゾールの経口投与を比較した.主要エンドポイントは,無作為化の時点から試験で定められた治療期間である 112 日目までの,侵襲性真菌感染の確定例あるいはほぼ確実例の発生率とした.

結 果

計 600 例の患者のうち,301 例をポサコナゾール群に,299 例をフルコナゾール群に割り付けた.定められた 112 日の治療期間の終了時に,ポサコナゾールは,あらゆる侵襲性真菌感染の予防においてフルコナゾールと同等の効果があり(発生率はそれぞれ 5.3%,9.0%;オッズ比 0.56;95%信頼区間 [CI] 0.30~1.07;P=0.07),侵襲性アスペルギルス症の確定例とほぼ確実例の予防においてはフルコナゾールより優れていることが判明した(2.3% 対 7.0%,オッズ比 0.31,95% CI 0.13~0.75,P=0.006).患者が試験薬の投与を受けている期間(曝露期間)中,ポサコナゾール群ではフルコナゾール群に比べて breakthrough 侵襲性真菌感染が少なく(2.4% 対 7.6%,P=0.004),とくに侵襲性アスペルギルス症(1.0% 対 5.9%,P=0.001)が少なかった.全死亡率は両群で同等であったが,侵襲性真菌感染による死亡数はポサコナゾール群のほうが少なかった(1%,フルコナゾール群では 4%;P=0.046).治療に関連する有害事象の発生率は両群で同等であり(ポサコナゾール群 36%,フルコナゾール群 38%),治療に関連する重篤な有害事象の発生率はそれぞれ 13%と 10%であった.

結 論

移植片対宿主病患者における真菌感染の予防投与として,ポサコナゾールはフルコナゾールと同等であった.ポサコナゾールは,侵襲性アスペルギルス症の予防と,真菌感染に関連した死亡率の低下においてより優れていた.(ClinicalTrials.gov 番号:NCT00034645)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2007; 356 : 335 - 47. )