The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

年間購読お申込み

Share

RSS

日本語アブストラクト

October 18, 2007 Vol. 357 No. 16

プレドニゾロンまたはアシクロビルによるベル麻痺の早期治療
Early Treatment with Prednisolone or Acyclovir in Bell's Palsy

F.M. Sullivan and Others

背景

コルチコステロイドと抗ウイルス薬は,特発性の顔面筋麻痺(ベル麻痺)の早期治療に広く使用されているが,その有効性は明らかにされていない.

方 法

症状発現後 72 時間以内に試験に採用したベル麻痺患者を対象に,二重盲検プラセボ対照無作為化要因試験を実施した.患者を,プレドニゾロン,アシクロビル,その両方,またはプラセボを 10 日間投与する群のいずれかに無作為に割り付けた.主要転帰は,House-Brackmann 法により評価した顔面機能の回復とした.副次的転帰は,QOL,顔面の外観,疼痛とした.

結 果

無作為化した 551 例のうち 496 例の最終転帰を評価した.3 ヵ月の時点で顔面機能が回復した患者の割合は,プレドニゾロン投与群で 83.0%であったのに対して非投与群では 63.6%(P<0.001),アシクロビル投与群で 71.2%であったのに対して非投与群では 75.7%であった(補正した P=0.50).9 ヵ月の時点における顔面機能が回復した患者の割合は,プレドニゾロン投与群で 94.4%,非投与群で 81.6%であった(P<0.001).また,アシクロビル投与群では 85.4%,非投与群では 90.8%であった(補正した P=0.10).これら両方の投与を受けた患者において,顔面機能が回復した患者の割合は 3 ヵ月の時点で 79.7%(P<0.001),9 ヵ月の時点で 92.7%であった(P<0.001).副次的転帰については,治療群間で臨床的に有意な差はみられなかった.いずれの群でも重篤な有害事象は認められなかった.

結 論

ベル麻痺患者に対し,プレドニゾロンによる早期治療を行うことで,3 ヵ月および 9 ヵ月の時点における完全回復率は有意に改善する.アシクロビルの単独投与による利益,あるいはプレドニゾロンとの併用による付加的利益を示すエビデンスは得られなかった.(Current Controlled Trials 番号:ISRCTN71548196)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2007; 357 : 1598 - 607. )