November 8, 2007 Vol. 357 No. 19
未熟児無呼吸発作に対するカフェイン療法の長期的影響
Long-Term Effects of Caffeine Therapy for Apnea of Prematurity
B. Schmidt and Others
未熟児無呼吸発作に対しては一般にメチルキサンチンの投与が行われているが,その有効性と安全性に関する十分なデータはない.メチルキサンチンが神経発達と成長に対して長期的な影響を及ぼすかどうかは明らかではない.
出生体重 500~1,250 g の乳児 2,006 例を,カフェイン投与またはプラセボ投与に無作為に割り付け,未熟児無呼吸発作に対する治療が必要なくなるまで投与を行った.主要転帰は,修正月齢 18~21 ヵ月の時点における死亡,脳性麻痺,認知機能の発達遅延(ベイリー乳幼児発達検査 [Bayley Scales of Infant Development] の精神発達指標スコア 85 未満と定義),聴覚障害,視覚障害の複合とした.
主要転帰に関する十分なデータが得られたカフェイン群の乳児 937 例中,377 例(40.2%)が死亡または神経発達障害をもって生存していたのに対し,プラセボ群では 932 例中 431 例(46.2%)であった(施設で補正したオッズ比 0.77,95%信頼区間 [CI] 0.64~0.93,P=0.008).カフェインによる治療は,プラセボと比較して,脳性麻痺(4.4% 対 7.3%,補正オッズ比 0.58,95% CI 0.39~0.87,P=0.009)と認知機能の発達遅延(33.8% 対 38.3%,補正オッズ比 0.81,95% CI 0.66~0.99,P=0.04)の発生率を低下させた.追跡調査時の死亡率,聴覚障害・視覚障害の発生率,および身長,体重,頭囲の平均パーセンタイルに両群間で有意差はなかった.
未熟児無呼吸発作に対するカフェイン療法により,18~21 ヵ月の時点における極低出生体重児の神経発達障害を伴わない生存率は改善する.(ClinicalTrials.gov 番号:NCT00182312)