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December 27, 2007 Vol. 357 No. 26

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転移性乳癌に対するパクリタキセルとベバシズマブの併用投与とパクリタキセル単独投与の比較
Paclitaxel plus Bevacizumab versus Paclitaxel Alone for Metastatic Breast Cancer

K. Miller and Others

背景

非盲検無作為化第 3 相臨床試験にて,転移性乳癌の初期治療としてのパクリタキセル単独投与と,パクリタキセル+血管内皮増殖因子に対するモノクローナル抗体であるベバシズマブの併用投与について,有効性および安全性を比較した.

方 法

患者を,パクリタキセル 90 mg/m2 体表面積を 4 週間ごとに 1 日目,8 日目,15 日目に投与する群と,これに加えてベバシズマブ 10 mg/kg 体重を 1 日目と 15 日目に併用投与する群に無作為に割り付けた.主要エンドポイントは無増悪生存期間とし,副次的エンドポイントは全生存期間とした.

結 果

2001 年 12 月~2004 年 5 月に,計 722 例の患者を試験に登録した.パクリタキセルとベバシズマブの併用投与群では,パクリタキセル単独投与群と比べて,無増悪生存期間が有意に延長し(中央値 11.8 ヵ月 対 5.9 ヵ月,増悪のハザード比 0.60,P<0.001),客観的奏効率が上昇した(36.9% 対 21.2%,P<0.001).しかし,全生存期間は両群で同等であった(中央値 26.7 ヵ月 対 25.2 ヵ月,ハザード比 0.88,P=0.16).グレード 3 または 4 の高血圧(14.8% 対 0.0%,P<0.001),蛋白尿(3.6% 対 0.0%,P<0.001),頭痛(2.2% 対 0.0%,P=0.008),脳虚血(1.9% 対 0.0%,P=0.02)は,パクリタキセルとベバシズマブの併用投与群で発現頻度が高かった.感染は併用投与群でより多くみられたが(9.3% 対 2.9%,P<0.001),発熱性好中球減少症はまれであった(全体で<1%).

結 論

パクリタキセルとベバシズマブを併用した転移性乳癌の初期治療により,パクリタキセル単独と比較して無増悪生存期間が延長したが,全生存期間は延長しなかった.(ClinicalTrials.gov 番号:NCT00028990)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2007; 357 : 2666 - 76. )