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August 2, 2007 Vol. 357 No. 5

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17α -カプロン酸ヒドロキシプロゲステロンによる双胎妊娠の早期産予防に関する臨床試験
A Trial of 17 Alpha-Hydroxyprogesterone Caproate to Prevent Prematurity in Twins

D.J. Rouse and Others

背景

単胎妊娠では,17α-カプロン酸ヒドロキシプロゲステロン(17P)により,早期産の再発率が低下することが示されている.17P により,双胎妊娠における早期産の発生率が低下するかどうかを検討した.

方 法

無作為化二重盲検プラセボ対照臨床試験を 14 施設で実施した.健常な双胎妊娠女性を,17P 250 mg を週 1 回筋肉注射する群と,マッチさせたプラセボを投与する群に割り付けた.投与は,妊娠 16~20 週に開始し,妊娠 35 週で終了した.試験の主要転帰は,妊娠 35 週未満の分娩または胎児死亡とした.

結 果

661 例を治療に無作為に割り付けた.ベースラインの人口統計学的データは 2 つの試験群で同等であった.6 例が追跡調査で脱落し,655 例のデータを分析した(17P 群 325 例,プラセボ群 330 例).35 週未満の分娩または胎児死亡は,17P 群の 41.5%,プラセボ群の 37.3%で発生した(相対リスク 1.1,95%信頼区間 [CI] 0.9~1.3).事前に規定した複合転帰である胎児または新生児における重篤な有害事象の発現率は,17P 群で 20.2%,プラセボ群で 18.0%であった(相対リスク 1.1,95% CI 0.9~1.5).注射による副作用は両群で多くみられ,被験者のそれぞれ 65.9%と 64.4%で発現したが(P=0.69),全般的に軽度であり注射部位に限られていた.

結 論

17α-カプロン酸ヒドロキシプロゲステロン投与により,双胎妊娠女性における早期産の発生率は低下しなかった.(ClinicalTrials.gov 番号:NCT00099164)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2007; 357 : 454 - 61. )