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日本語アブストラクト

August 23, 2007 Vol. 357 No. 8

特発性筋萎縮性側索硬化症の全ゲノム解析
Whole-Genome Analysis of Sporadic Amyotrophic Lateral Sclerosis

T. Dunckley and Others

背景

筋萎縮性側索硬化症(ALS)の約 90%は特発性である.特発性 ALS は,複数の環境要因とこれまで明らかにされていない遺伝子との相互作用により引き起こされる可能性がある.

方 法

白人の特発性 ALS 患者 386 例と神経学的に正常な対照者 542 例(発見シリーズ)で確認された 766,955 個の一塩基多型(SNP)について,ゲノムワイド関連解析を実施した.SNP と特発性 ALS との関連を,2 つの独立した追試験集団で確認した.追試験シリーズ 1 には特発性 ALS 患者 766 例と神経学的に正常な対照者 750 例,追試験シリーズ 2 には患者 135 例と対照者 275 例が含まれた.

結 果

患者と対照から成る独立した 3 つのシリーズすべてで特発性 ALS と有意に関連する(P<0.05)遺伝子座を 10 個同定し,さらに,3 つのシリーズのうち 2 つで有意に関連する遺伝子座を 41 個同定した.白人患者では対照者と比較して,特発性 ALS とのもっとも強い関連は,機能が明らかにされていない遺伝子,FLJ10986 の近くの SNP で認められた(P=3.0×10-4,同遺伝子型を有する患者について対照者と比較した場合のオッズ比 1.35,95%信頼区間 1.13~1.62).FLJ10986 蛋白の発現は,患者および対照者の脊髄および脳脊髄液中で認められた.特定の SNP は,性別,発症年齢,および特発性 ALS の発症部位と関連すると思われる.

結 論

FLJ10986 に変異があると,特発性 ALS に罹患しやすくなる可能性がある.FLJ10986 およびその他 50 個の候補遺伝子座が,特発性 ALS の易罹患性に果たしうる役割について,さらに研究を行う必要がある.

本論文(10.1056/NEJMoa070174)は,2007 年 8 月 1 日に www.nejm.org で発表された.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2007; 357 : 775 - 88. )