The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

年間購読お申込み

日本語アブストラクト

March 20, 2008 Vol. 358 No. 12

Share

Share on Facebook
Facebookで共有する
Share on Twitter
Twitterでつぶやく
Share on Note
noteに投稿する

RSS

RSS

前立腺癌生存者における QOL と転帰に対する満足度
Quality of Life and Satisfaction with Outcome among Prostate-Cancer Survivors

M.G. Sanda and Others

背景

われわれは,前立腺癌初回治療後の健康関連 QOL の規定要因を同定し,それらの規定要因が,患者とその配偶者またはパートナーにおける治療転帰に対する満足度に及ぼす影響を評価することを試みた.

方 法

複数の施設で,患者 1,201 例とその配偶者またはパートナー 625 例を対象に,前立腺全摘除術,小線源療法,外照射療法いずれかを施行前後に報告された転帰を前向きに評価した.調査群の中で QOL の変化と関連していた要因を評価し,治療転帰に対する満足度に及ぼす影響を判定した.

結 果

小線源療法,外照射療法を受けた患者において,術後補助ホルモン療法は複数の QOL 領域でより不良な転帰と関連していた.小線源療法群の患者は,長期間持続する排尿刺激,消化管機能・性機能症状,活力・ホルモン機能の一過性の障害があることを報告した.前立腺全摘除術が性機能に及ぼす有害作用は,神経温存手技によって軽減された.前立腺全摘除術後,尿失禁がみられたが排尿刺激や尿閉が改善した.これはとくに,大きな前立腺を有する患者で認められた.治療関連死はみられず,重大な有害事象はまれであった.治療に関連した症状は,肥満,大きな前立腺,PSA 高値,高齢によって増悪した.黒人患者では,全体的な治療転帰の程度に対する満足度がより低かった.QOL の変化は,患者とその配偶者またはパートナーの転帰に対する満足度と有意に関連していた.

結 論

各前立腺癌治療は,排尿機能,性機能,消化管機能,ホルモン機能と関連する QOL 領域において異なる変化パターンと関連していた.これらの変化は,患者とその配偶者またはパートナーの治療転帰に対する満足度に影響した.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2008; 358 : 1250 - 61. )