The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

年間購読お申込み

Share

RSS

日本語アブストラクト

March 27, 2008 Vol. 358 No. 13

医薬品審査期限と安全性の問題
Drug-Review Deadlines and Safety Problems

D. Carpenter, E.J. Zucker, and J. Avorn

背景

処方薬ユーザーフィー法(Prescription Drug User Fee Act;PDUFA)は,米国食品医薬品局(FDA)による医薬品の承認審査に期限を課している.批評家らから,このような期限は性急な承認につながり,製品が臨床で使用された際に予期せぬ安全性の問題が発生する可能性があることが示唆されている.

方 法

PDUFA の審査期限と FDA 医薬品承認の時期との関連を評価するため,1950~2005 年に承認されたすべての新規分子化合物に対する審査期間の動的 Cox 比例ハザードモデルを構築した.審査期限が,市販後の安全性に関する問題と関連するかどうかを検討するため,はじめて期限が課された年の 1993 年 1 月以降に申請された薬物に焦点を当てた.正確なロジスティック回帰を用いて,審査期限直前に承認された医薬品が,普通に承認された医薬品に比べ,市販後の安全性に関する問題(回収や黒枠警告など)の発生率の高さと関連しているかどうかを判定した.

結 果

PDUFA 要件の導入により,下される承認決定の件数は審査期限直前の数週間に集中した.普通に承認された医薬品と比較して,PDUFA の審査期限前の 2 ヵ月間に承認された医薬品は,安全上の理由から回収される頻度が高く(オッズ比 5.5,95%信頼区間 [CI] 1.3~27.8),後に黒枠警告が出される頻度が高く(オッズ比 4.4,95% CI 1.2~20.5),製薬会社が自主的に製造を中止した剤形が 1 つ以上ある頻度がより高かった(オッズ比 3.3,95% CI 1.5~7.5).

結 論

PDUFA の審査期限は,FDA の承認決定を大きく変化させた.医薬品が臨床で使用された時点で安全性に関する問題が発見される率は,期限直前に承認された医薬品のほうが普通に承認された医薬品よりも高かった.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2008; 358 : 1354 - 61. )