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日本語アブストラクト

April 3, 2008 Vol. 358 No. 14

家族性高コレステロール血症に対するシンバスタチン+エゼチミブ併用療法とシンバスタチン単独療法の比較
Simvastatin with or without Ezetimibe in Familial Hypercholesterolemia

J.J.P. Kastelein and Others

背景

コレステロール吸収阻害薬エゼチミブは,スタチン療法に加えて投与すると,低比重リポ蛋白(LDL)コレステロール値を低下させる.しかし,エゼチミブがアテローム性動脈硬化の進行に及ぼす影響は明らかにされていない.

方 法

家族性高コレステロール血症患者 720 例を対象とした 24 ヵ月間の二重盲検無作為化試験において,シンバスタチン 80 mg にプラセボまたはエゼチミブ 10 mg を併用する連日の治療の効果を比較した.頸動脈壁と大腿動脈壁の内膜中膜厚を評価するため,患者に B モード超音波検査を行った.主要評価項目は,頸動脈内膜中膜厚の平均値の変化とした.頸動脈内膜中膜厚の平均値は,左右の総頸動脈,頸動脈球部,内頸動脈の遠位壁の内膜中膜厚の各平均値の平均と定義した.

結 果

主要評価項目である頸動脈内膜中膜厚の平均値(±SD)の変化は,シンバスタチン単独群で 0.0058±0.0037 mm,シンバスタチン+エゼチミブ併用群で 0.0111±0.0038 mm であった(P=0.29).副次的評価項目(頸動脈および大腿動脈の内膜中膜厚に関するその他の変数)に,群間で有意差は認められなかった.試験終了時の平均(±SD)LDL コレステロール値は,シンバスタチン単独群で 192.7±60.3 mg/dL(4.98±1.56 mmol/L),併用群で 141.3±52.6 mg/dL(3.65±1.36 mmol/L)であった(群間差 16.5%,P<0.01).トリグリセリド値と CRP 値の低下における群間差はそれぞれ 6.6%と 25.7%であり,併用群ではより大きく低下した(両比較について P<0.01).有害作用および安全性プロファイルは両群で同等であった.

結 論

家族性高コレステロール血症患者において,エゼチミブとシンバスタチンの併用療法は,シンバスタチン単独と比較して,内膜中膜厚の変化に有意差をもたらさなかったが,LDL コレステロール値と CRP 値を低下させた.(ClinicalTrials.gov 番号:NCT00552097)

本論文(10.1056/NEJMoa0800742)は,2008 年 3 月 30 日に www.nejm.org で発表された.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2008; 358 : 1431 - 43. )