The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

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日本語アブストラクト

July 10, 2008 Vol. 359 No. 2

母乳を介した HIV-1 感染を減少させるための抗レトロウイルス薬の長期予防的投与
Extended Antiretroviral Prophylaxis to Reduce Breast-Milk HIV-1 Transmission

N.I. Kumwenda and Others

背景

資源が乏しい環境では,授乳によるヒト免疫不全ウイルス 1 型(HIV-1)の母子感染を減少させるための効果的な戦略が早急に必要とされている.

方 法

マラウイ共和国のブランタイヤにおいて,HIV-1 に感染した授乳中の女性を無作為化第 3 相試験に組み入れた.出生時点に乳児を以下の 3 つのレジメンのいずれかに無作為に割り付けた;ネビラピンの単回投与+1 週間のジドブジン投与(対照群),対照レジメン+生後 14 週まで連日のネビラピンの長期予防的投与(長期ネビラピン群),対照レジメン+生後 14 週まで連日のネビラピンとジドブジンの長期予防的投与(長期二重予防群).Kaplan-Meier 法を用いて,出生時に DNA ポリメラーゼ連鎖反応法で HIV-1 陰性であった乳児の HIV-1 感染リスクを評価した.

結 果

試験に組み入れられた乳児 3,016 例のうち,対照群では生後 6 週~18 ヵ月の HIV-1 感染率が一貫して高かった.9 ヵ月の時点における推定 HIV-1 感染率(主要エンドポイント)は,対照群で 10.6%であったのに対し,長期ネビラピン群では 5.2%(P<0.001),長期二重予防群では 6.4%(P=0.002)であった.2 つの長期予防群のあいだに有意差は認められなかった.授乳の頻度について,試験群間で有意差はなかった.長期二重予防群の乳児では,試験薬に関連するとみられる有害事象(主に好中球減少症)の件数が有意に多かった.

結 論

生後 14 週間にわたるネビラピン,またはネビラピン+ジドブジンの長期予防的投与により,生後 9 ヵ月の乳児における HIV-1 感染は有意に減少した.(ClinicalTrials.gov 番号:NCT00115648)

本論文(10.1056/NEJMoa0801941)は,2008 年 6 月 4 日に www.nejm.org で発表された.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2008; 359 : 119 - 29. )