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日本語アブストラクト

October 9, 2008 Vol. 359 No. 15

慢性閉塞性肺疾患に対するチオトロピウムの 4 年間の試験
A 4-Year Trial of Tiotropium in Chronic Obstructive Pulmonary Disease

D.P. Tashkin and Others

背景

これまでの研究で,チオトロピウムにより慢性閉塞性肺疾患(chronic obstructive pulmonary disease:COPD)患者の複数のエンドポイントが改善されたことから,われわれはチオトロピウム療法の長期効果を検討した.

方 法

この無作為化二重盲検試験では,吸入抗コリン薬を除くすべての呼吸器薬の使用が許可された COPD 患者を対象として,チオトロピウムとプラセボのいずれかによる 4 年間の治療を比較した.患者は 40 歳以上で,気管支拡張薬投与後の 1 秒量(FEV1)が 70%未満であり,努力肺活量(FVC)に対する FEV1 の比が 70%未満であった.複合主要エンドポイントは,気管支拡張薬の投与前と投与後(30 日目以降)の FEV1 の平均低下率とした.副次的エンドポイントは,FVC 値,St. George 呼吸器質問票(St. George's Respiratory Questionnaire:SGRQ)における回答の変化,COPD の増悪,死亡率などとした.

結 果

気管支拡張薬投与後の平均 FEV1 が 1.32±0.44 L(予測値の 48%)であった計 5,993 例(平均年齢 65±8 歳)のうち,2,987 例をチオトロピウム群に,3,006 例をプラセボ群に無作為に割り付けた.FEV1 の平均改善の絶対値は,チオトロピウム群ではプラセボ群に比べて試験期間を通じて維持されていた(気管支拡張薬投与前 87~103 mL,投与後 47~65 mL;P<0.001).30 日目以降は,気管支拡張薬の投与前と投与後の FEV1 の平均低下率に有意な群間差はみられなかった.SGRQ の総スコア絶対値の平均は,4 年間を通じてチオトロピウム群ではプラセボ群と比べて各時点で低かった(改善した)(2.3~3.3 単位,P<0.001).4 年目および 30 日目では,チオトロピウムは,COPD の増悪,増悪に関連した入院,呼吸不全の各リスクの減少と関連していた.

結 論

COPD 患者において,チオトロピウムを用いた治療により 4 年間の試験期間中に肺機能,QOL,COPD の増悪に改善がみられたが,FEV1 低下率に有意な減少はみられなかった.(ClinicalTrials.gov 番号:NCT00144339)

本論文(10.1056/NEJMoa0805800)は,2008 年 10 月 5 日に www.nejm.org で発表された.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2008; 359 : 1543 - 54. )