The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

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日本語アブストラクト

November 13, 2008 Vol. 359 No. 20

欧州における全身肥満および腹部肥満と死亡リスク
General and Abdominal Adiposity and Risk of Death in Europe

T. Pischon and Others

背景

これまでの研究では,肥満と死亡リスクの関連の評価には主として体格指数(BMI,体重 [kg] を身長 [m] の二乗で除した値)が用いられてきたが,体脂肪の分布が死亡予測に寄与するかどうかを検討した研究はほとんどない.

方 法

欧州における癌と栄養に関する前向き研究(European Prospective Investigation into Cancer and Nutrition:EPIC)に参加した 9 ヵ国の 359,387 例を対象に,BMI,ウエスト周囲径,ウエスト・ヒップ比それぞれの,死亡リスクとの関連を検討した.Cox 回帰分析を用い,年齢を時間変数として,研究実施施設と登録時の年齢に基づきモデルを層別化し,さらに教育レベル,喫煙状況,アルコール摂取,身体活動,身長で補正した.

結 果

平均追跡調査期間 9.7 年のあいだに,14,723 例が死亡した.BMI に関連する死亡リスクがもっとも低かったのは,BMI が男性で 25.3,女性で 24.3 の場合であった.BMI で補正後,ウエスト周囲径とウエスト・ヒップ比には死亡リスクとの強い関連が認められた.ウエスト周囲径が最高五分位群の相対リスクは男性で 2.05(95%信頼区間 [CI] 1.80~2.33),女性で 1.78(95% CI 1.56~2.04)であり,ウエスト・ヒップ比が最高五分位群の相対リスクは男性で 1.68(95% CI 1.53~1.84),女性で 1.51(95% CI 1.37~1.66)であった.ウエスト周囲径またはウエスト・ヒップ比を含んだモデルにおいて,BMI は依然として死亡リスクと有意に関連していた(P<0.001).

結 論

これらのデータから,全身肥満と腹部肥満は死亡リスクと関連していることが示唆され,死亡リスクの評価には,BMI に加え,ウエスト周囲径またはウエスト・ヒップ比を用いることが支持される.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2008; 359 : 2105 - 20. )