The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

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日本語アブストラクト

March 25, 2010 Vol. 362 No. 12

肝性脳症に対するリファキシミン投与
Rifaximin Treatment in Hepatic Encephalopathy

N.M. Bass and Others

背景

肝硬変の合併症である肝性脳症は,患者を慢性的に衰弱させる.吸収率の低い抗菌薬リファキシミン(rifaximin)は,急性肝性脳症への治療有効性は十分に実証されているが,予防有効性は確立されていない.

方 法

この無作為化二重盲検プラセボ対照試験では,慢性肝疾患に起因する反復性肝性脳症が寛解期にある患者 299 例を,6 ヵ月間にわたり 1 日 2 回,リファキシミン 550 mg を投与する群(140 例)と,プラセボを投与する群(159 例)に無作為に割り付けた.主要有効性エンドポイントは,肝性脳症の明確な初回発症までの期間とした.主要副次的エンドポイントは,肝性脳症に関連する初回入院までの期間とした.

結 果

6 ヵ月間の肝性脳症の明確な発症のリスクは,リファキシミンにより,プラセボに比べて有意に低下した(リファキシミンのハザード比 0.42,95%信頼区間 [CI] 0.28~0.64,P<0.001).肝性脳症の明確な発症は,リファキシミン群の 22.1%でみられたのに対し,プラセボ群では 45.9%でみられた.肝性脳症に関連して入院した患者は,リファキシミン群では 13.6%であったのに対しプラセボ群では 22.6%で,ハザード比は 0.50 であった(95% CI 0.29~0.87,P=0.01).患者の 90%以上がラクツロースを併用した.試験中に報告された有害事象の発生率は両群で同程度であり,重篤な有害事象の発生率についても同程度であった.

結 論

リファキシミン投与は,プラセボと比較して肝性脳症の 6 ヵ月間の寛解維持に有効であり,肝性脳症に関連する入院リスクも有意に低下した.(ClinicalTrials.gov 番号:NCT00298038)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2010; 362 : 1071 - 81. )