The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

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日本語アブストラクト

June 17, 2010 Vol. 362 No. 24

新たに慢性骨髄性白血病と診断された患者に対するニロチニブとイマチニブの比較
Nilotinib versus Imatinib for Newly Diagnosed Chronic Myeloid Leukemia

G. Saglio and Others

背景

ニロチニブは,イマチニブよりも強力な BCR-ABL 阻害薬である可能性が示されている.われわれは,新たにフィラデルフィア染色体陽性慢性期慢性骨髄性白血病(CML)と診断された患者において,ニロチニブの有効性と安全性をイマチニブと比較検討した.

方 法

多施設共同第 3 相無作為化非盲検試験において,フィラデルフィア染色体陽性慢性期 CML 患者 846 例を,ニロチニブ 300 mg を 1 日 2 回投与する群,ニロチニブ 400 mg を 1 日 2 回投与する群,イマチニブ 400 mg を 1 日 1 回投与する群に 1:1:1 の割合で割り付けた.主要エンドポイントは 12 ヵ月の時点での分子遺伝学的寛解(major molecular response)率とした.

結 果

12 ヵ月の時点での分子遺伝学的寛解率は,ニロチニブ群(300 mg 群 44%,400 mg 群 43%)でイマチニブ群(22%)のほぼ 2 倍であった(両比較について P<0.001).12 ヵ月の時点での細胞遺伝学的完全寛解(complete cytogenetic response)率は,ニロチニブ群(300 mg 群 80%,400 mg 群 78%)のほうがイマチニブ群(65%)より有意に高かった(両比較について P<0.001).ニロチニブ 300 mg または 400 mg を 1 日 2 回投与されていた患者は,移行期または急性転化に進行するまでの期間がイマチニブ群に比べ有意に延長した(それぞれ P=0.01,P=0.004).移行期または急性転化に進行した患者では,分子遺伝学的寛解は達成されなかった.消化器症状,体液貯留の発生率はイマチニブ群のほうが高かったが,皮膚症状,頭痛の発生率はニロチニブ群のほうが高かった.アミノトランスフェラーゼ値と,ビリルビン値の上昇による投与中止はいずれの群も少なかった.

結 論

新たにフィラデルフィア染色体陽性慢性期 CML と診断された患者において,ニロチニブ 300 mg または 400 mg の 1 日 2 回投与はイマチニブよりも優れていた.(ClinicalTrials.gov 番号:NCT00471497)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2010; 362 : 2251 - 9. )