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January 7, 2010 Vol. 362 No. 1

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アルゼンチンにおける 2009 パンデミックインフルエンザ A(H1N1)に関連した小児の入院
Pediatric Hospitalizations Associated with 2009 Pandemic Influenza A(H1N1)in Argentina

R. Libster and Others

背景

北半球が 2009 パンデミックインフルエンザ A(H1N1)ウイルスの影響を受けている中,南半球における最近のインフルエンザ流行期のデータから,小児の疾患負荷に関する重要な情報が得られる可能性がある.

方 法

急性下気道感染または発熱を呈し,逆転写ポリメラーゼ連鎖反応検査で 2009 H1N1 インフルエンザと診断され,小児 120 万人の通院圏にある 6 小児病院のいずれかに入院した小児を対象に,後ろ向き症例集積研究を行った.2007 年・2008 年に感染した小児と年齢をマッチさせて,入院率と死亡率を比較した.

結 果

2009 年 5 月~7 月に 251 例の小児が 2009 H1N1 インフルエンザで入院した.入院率は 2008 年の季節性インフルエンザ患児の 2 倍であった.入院した患児のうち,47 例(19%)が集中治療室に入室し,42 例(17%)が人工換気を要し,13 例(5%)が死亡した.2009 H1N1 インフルエンザによる全死亡率が小児 10 万人あたり 1.1 であったのに対し,2007 年の季節性インフルエンザによる小児死亡率は 10 万人あたり 0.1 であった(2008 年の季節性インフルエンザに関連した小児死亡例の報告はなかった).死亡原因のほとんどが,生後 1 年未満の乳児における難治性低酸素血症であった(死亡率 10 万人あたり 7.6).

結 論

パンデミック 2009 H1N1 インフルエンザに関連した小児死亡率は,2007 年の季節性インフルエンザに関連した小児死亡率の 10 倍であった.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2010; 362 : 45 - 55. )