The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

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日本語アブストラクト

December 30, 2010 Vol. 363 No. 27

男性と性交渉をもつ男性における HIV 曝露前の予防的化学療法
Preexposure Chemoprophylaxis for HIV Prevention in Men Who Have Sex with Men

R.M. Grant and Others

背景

ヒト免疫不全ウイルス(HIV)曝露前に行う抗レトロウイルス薬を用いた予防的化学療法は,HIV 感染予防に有望なアプローチである.

方 法

男性と性交渉をもつ 2,499 例の HIV 血清陰性の男性または性転換女性を,1 日 1 回経口抗レトロウイルス薬であるエムトリシタビン・テノホビルジソプロキシルフマル酸塩配合剤(FTC-TDF)を投与する群と,プラセボを投与する群のいずれかに無作為に割り付けた.すべての被験者に対して HIV 検査,リスク軽減カウンセリング,コンドームの支給,性感染症の管理を行った.

結 果

被験者を 3,324 人年(中央値 1.2 年,最長 2.8 年)追跡した.これらの被験者のうち 10 例は登録時に HIV 感染が認められ,100 例は追跡中に感染し(FTC-TDF 群 36 例,プラセボ群 64 例),感染率は FTC-TDF 群で 44%(95%信頼区間 15~63,P=0.005)減少したことが示された.FTC-TDF 群で試験薬が検出されたのは,血清陰性被験者では 43 例中 22 例(51%)であり,HIV 陽性被験者では 34 例中 3 例(9%)であった(P<0.001).悪心の報告頻度は,最初の 4 週間は FTC-TDF 群のほうがプラセボ群よりも高かった(P<0.001).重篤な有害事象の発現率は両群で同程度であった(P=0.57).

結 論

FTC-TDF の経口投与により,被験者の HIV 感染が防御された.試験薬の血中濃度が検出可能であることは,予防効果と強く相関していた.(米国国立衛生研究所,ビル・アンド・メリンダ・ゲイツ財団から研究助成を受けた.ClinicalTrials.gov 番号:NCT00458393)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2010; 363 : 2587 - 99. )