The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

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日本語アブストラクト

April 28, 2011 Vol. 364 No. 17

米国南部における人獣共通ハンセン病の可能性
Probable Zoonotic Leprosy in the Southern United States

R.W. Truman and Others

背景

ルイジアナ州やテキサス州などの米国南部地域において,米国外での曝露歴がないその地域生まれの米国人でハンセン病の土着症例が発生している.この地域とメキシコでは,野生アルマジロがらい菌(Mycobacterium leprae)に感染している.

方 法

野生アルマジロ 1 匹,米国人ハンセン病患者 3 例から得たらい菌の全ゲノム再配列決定によって,感染菌株は本質的に同一であることが明らかになった.これらの菌株と,アジアおよびブラジルのらい菌株の比較ゲノム解析により,一塩基多型 51 個と 11 bp の挿入欠失を同定した.南部の 5 つの州の野生アルマジロ 33 匹,ルイジアナ州の診療所を受診した米国人外来患者 50 例,ベネズエラ人患者 64 例から得たらい菌株と,米国外の参照株 4 株において,これらの多型部位と,反復数の異なる 10 のタンデムリピートで遺伝子型を決定した.

結 果

米国外での曝露歴がある患者のらい菌の遺伝子型は,概して出身国や渡航歴を反映していた.しかし,野生アルマジロ 33 匹中 28 匹と,アルマジロが媒介するらい菌に曝露されている可能性のある地域に居住する米国人患者 39 例中 25 例では,特異ならい菌遺伝子型(3I-2-v1)が検出された.この遺伝子型は世界のほかの地域では報告されていない.

結 論

米国南部の野生アルマジロと多数のハンセン病患者が,同一のらい菌株に感染している.アルマジロは自然界におけるらい菌の大きな保菌宿主であり,ハンセン病はこの地域の人獣共通感染症である可能性がある.(米国国立アレルギー感染症研究所ほかから研究助成を受けた.)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2011; 364 : 1626 - 33. )