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日本語アブストラクト

June 23, 2011 Vol. 364 No. 25

閉経後女性の乳癌予防に用いるエキセメスタン
Exemestane for Breast-Cancer Prevention in Postmenopausal Women

P.E. Goss and Others

背景

乳癌の一次予防としてタモキシフェンとラロキシフェンを受け入れている患者は少ない.早期乳癌患者において,アロマターゼ阻害薬はタモキシフェンよりも多くの対側乳癌を予防し,副作用が少ない.

方 法

浸潤性乳癌の 65%の相対的減少を検出するようにデザインされた,エキセメスタンの無作為化プラセボ対照二重盲検試験において,次の危険因子を少なくとも 1 つ有する 35 歳以上の閉経後女性を適格とした:年齢が 60 歳以上であること,Gail 5 年リスクスコア(5 年以内に浸潤性乳癌を発症する確率)が 1.66%超であること,異型乳管過形成・異型小葉過形成あるいは非浸潤性小葉癌,乳房切除術を伴う非浸潤性乳管癌の既往を有すること.毒性作用,健康関連 QOL,閉経期特異的 QOL を評価した.

結 果

年齢中央値 62.5 歳,Gail リスクスコア中央値 2.3%の女性 4,560 例を,エキセメスタン群とプラセボ群のいずれかに無作為に割り付けた.追跡期間中央値 35 ヵ月で浸潤性乳癌はエキセメスタン群 11 例,プラセボ群 32 例で確認され,浸潤性乳癌の年間発生率の相対的低下は 65%であった(0.19% 対 0.55%,ハザード比 0.35,95%信頼区間 [CI] 0.18~0.70,P=0.002).浸潤性乳癌と非浸潤性乳癌(非浸潤性乳管癌)を合わせた年間発生率は,エキセメスタン群 0.35%,プラセボ群 0.77%であった(ハザード比 0.47,95% CI 0.27~0.79,P=0.004).有害事象はエキセメスタン群の 88%とプラセボ群の 85%で発生し(P=0.003),骨折,心血管イベント,その他の癌,治療関連死に 2 群間で有意差は認められなかった.QOL にわずかな差が認められた.

結 論

乳癌リスクが中程度に高い閉経後女性において,エキセメスタンにより浸潤性乳癌が有意に減少した.中央値 3 年の追跡期間に,エキセメスタンに関連した重篤な毒性作用は認められず,健康関連 QOL の変化はごくわずかであった.(Pfizer 社ほかから研究助成を受けた.NCIC CTG MAP.3 ClinicalTrials.gov 番号:NCT00083174)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2011; 364 : 2381 - 91. )