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September 15, 2011 Vol. 365 No. 11

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C 型肝炎ウイルス感染に対する治療効果に基づくテラプレビル併用治療
Response-Guided Telaprevir Combination Treatment for Hepatitis C Virus Infection

K.E. Sherman and Others

背景

C 型肝炎ウイルス(HCV)遺伝子型 1 型の慢性感染患者では,ウイルス排除(SVR)を得るために,ペグインターフェロン+リバビリンの 48 週間投与が行われることが多い.2 つの投与期間で SVR 率を比較する非劣性試験(非劣性マージン -10.5%)を計画した.

方 法

治療歴のない HCV 遺伝子型 1 型の慢性感染患者を登録した.全例に,12 週間にわたり,テラプレビル(telaprevir)750 mg を 8 時間ごと,ペグインターフェロンα-2a 180 μg を週 1 回,リバビリン 1,000~1,200 mg を 1 日 1 回投与し(T12PR12),その後ペグインターフェロン+リバビリン投与のみを継続した.迅速かつ長期にわたるウイルス消失(extended RVR;4 週目と 12 週目に HCV RNA 陰性)が得られた患者を,20 週目からこの 2 剤併用療法をさらに 4 週間行う(T12PR24)群と,28 週間行う(T12PR48)群に無作為に割り付けた.extended RVRが得られなかった患者は T12PR48 群に割り付けた.

結 果

540 例のうち,352 例(65%)で extended RVR が得られた.全体の SVR 率は 72%であった.extended RVR が得られ,T12PR24 群と T12PR48 群に無作為に割り付けられた 322 例のうち,それぞれ 149 例(92%)と 140 例(88%)で SVR が得られたことから(絶対差 4 パーセントポイント,95%信頼区間 -2~11),非劣性が証明された.有害事象は,発疹(患者の 37%でみられ 5%では重度),貧血(39%でみられ 6%では重度)などがあった.有害事象に基づきすべての試験薬投与が中止されたのは患者全体では 18%であり,T12PR24 群患者では 1%(全例が無作為に割り付けられた患者),T12PR48 群に無作為に割り付けられた患者では 12%であった(P<0.001).

結 論

治療歴のない HCV 慢性感染患者に対し,最初の 12 週間にテラプレビルを上乗せする 24 週間のペグインターフェロン+リバビリンによるレジメンは, 4 週目と 12 週目に HCV RNA 陰性であった例では 48 週間の同レジメンに非劣性を示した.4 週目と 12 週目に HCV RNA 陰性である extended RVR は,患者の約 2/3 で得られた.(Vertex Pharmaceuticals 社,Tibotec 社から研究助成を受けた.ILLUMINATE ClinicalTrials.gov 番号:NCT00758043)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2011; 365 : 1014 - 24. )