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January 12, 2012 Vol. 366 No. 2

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転移性乳癌に対するペルツズマブ+トラスツズマブ+ドセタキセル併用療法
Pertuzumab plus Trastuzumab plus Docetaxel for Metastatic Breast Cancer

J. Baselga and Others

背景

抗ヒト上皮増殖因子受容体 2(HER2)ヒト化モノクローナル抗体のトラスツズマブは,HER2 陽性転移性乳癌患者の転帰を改善する.しかし,進行乳癌症例のほとんどは最終的に増悪をきたす.受容体の二量体化を阻害する抗 HER2 ヒト化モノクローナル抗体のペルツズマブ(pertuzumab)は,トラスツズマブと相補的な作用機序をもち,これら 2 つの抗体の併用療法は,HER2 陽性乳癌患者を対象とした第 2 相試験で有望な作用活性と,忍容可能な安全性プロファイルを示している.

方 法

HER2 陽性転移性乳癌患者 808 例を対象に,第一選択治療として,プラセボ+トラスツズマブ+ドセタキセル(対照群)またはペルツズマブ+トラスツズマブ+ドセタキセル(ペルツズマブ群)に無作為に割り付け,増悪または十分に管理できない毒性作用が発現するまで投与を行った.主要エンドポイントは,独立に評価された無増悪生存とした.副次的エンドポイントは,全生存,研究者の評価による無増悪生存,客観的奏効率,安全性とした.

結 果

無増悪生存期間中央値は,対照群で 12.4 ヵ月であったのに対し,ペルツズマブ群では 18.5 ヵ月であった(増悪または死亡のハザード比 0.62,95%信頼区間 0.51~0.75,P<0.001).全生存期間の中間解析により,ペルツズマブ+トラスツズマブ+ドセタキセルの優越性を示す強い傾向が認められた.安全性プロファイルは 2 群で全般的に同様であり,左室収縮機能障害の増加は認められなかったが,グレード 3 以上の発熱性好中球減少症と下痢の発現率はペルツズマブ群のほうが対照群よりも高かった.

結 論

ペルツズマブ+トラスツズマブ+ドセタキセルを HER2 陽性転移性乳癌に対する第一選択治療として用いた場合,プラセボ+トラスツズマブ+ドセタキセルと比較して,心毒性作用の増加を伴うことなく無増悪生存期間が有意に延長した.(F. Hoffmann–La Roche/Genentech 社から研究助成を受けた.ClinicalTrials.gov 番号:NCT00567190)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2012; 366 : 109 - 19. )