January 12, 2012 Vol. 366 No. 2
メディケア・アドバンテージプランにおけるフィットネスクラブ会費と有利な選択
Fitness Memberships and Favorable Selection in Medicare Advantage Plans
A.L. Cooper and A.N. Trivedi
メディケア・アドバンテージプランは適用されるサービスに対し支払いを行わなければならないため,より健康な人を惹きつけるような特典を設定される可能性がある.
2004 年または 2005 年にフィットネスクラブ会費に対する給付を新たに導入したメディケア・アドバンテージプラン 11 件を同定し,フィットネスクラブ会費に対する給付を行わない対照のメディケア・アドバンテージプラン 11 件とマッチさせた.difference-in-differences 法を用いて,フィットネスクラブ会費に対する給付が追加されたあとに加入した人の自己申告による健康状態と,同じプランでフィットネスクラブ会費に対する給付が追加される前に加入した人の自己申告による健康状態を比較した.
健康状態がきわめて良好またはとても良好と報告した加入者の割合は,フィットネスクラブ会費に対する給付が追加されたプランへの新規加入者 755 例のほうが,追加前に加入した 4,097 例より 6.1 パーセントポイント(95%信頼区間 [CI] 2.6~9.7)高かった.新規加入者では,追加前の加入者と比較して,活動に制限があると報告した割合が 10.4 パーセントポイント(95% CI 6.6~14.3)低く,歩行困難を報告した割合が 8.1 パーセントポイント(95% CI 4.4~11.7)低かった.対照プランでは,新規加入者 1,154 例とより早期の加入者 3,910 例とで,各評価項目における差は 1.5 パーセントポイント以下であった.フィットネスクラブ会費に対する給付付き保険と対照保険における補正後の差は,全般的健康状態は 4.7 パーセントポイント(95% CI 0.2~9.2)高く,活動制限は 9.2 パーセントポイント(95% CI 5.1~13.3)低く,歩行困難は 7.4 パーセントポイント(95% CI 4.5~10.4)低かった.活動制限と歩行困難についてはこれらの差が 2 年間持続した.
フィットネスクラブ会費に対し給付を行うメディケア・アドバンテージプランは,メディケア集団のより健康なサブグループを引き寄せ,加入を維持させると考えられる.(米国国立老化研究所から研究助成を受けた.)