The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

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日本語アブストラクト

May 31, 2012 Vol. 366 No. 22

食道癌または食道胃接合部癌に対する術前化学放射線療法
Preoperative Chemoradiotherapy for Esophageal or Junctional Cancer

P. van Hagen and Others

背景

食道癌患者または食道胃接合部癌患者の治療における,術前補助化学放射線療法の役割は十分には確立されていない.この患者集団を対象に,化学放射線療法後に手術を行った場合と,手術のみを行った場合とで比較した.

方 法

切除可能な腫瘍を有する患者を,手術を単独で施行する群と,術前にカルボプラチン(用量は曲線下面積 [AUC] が 2 mg/mL/分となるよう調節)とパクリタキセル(50 mg/m2 体表面積)の週 1 回 5 週間の投与と,放射線治療(23 分割で 41.4 Gy,週 5 日)を併用する群に無作為に割り付けた.

結 果

2004 年 3 月~2008 年 12 月に 368 例を登録し,うち 366 例を解析対象とした.内訳は,腺癌 275 例(75%),扁平上皮癌 84 例(23%),未分化大細胞癌 7 例(2%)であった.この 366 例のうち,178 例を化学放射線療法後に手術を行う群に,188 例を手術単独群に,無作為に割り付けた.化学放射線療法+手術群で高頻度にみられた重大な血液毒性は白血球減少症(6%)と好中球減少症(2%)で,もっとも多くみられた重大な非血液毒性は食欲不振(5%)と疲労(3%)であった.切除断端 1 mm 以内に腫瘍を認めない完全切除(R0)は,化学放射線療法+手術群では 92%で達成されたのに対し,手術群では 69%であった(P<0.001).病理学的完全奏効は,化学放射線療法後に切除術を受けた 161 例中 47 例(29%)で得られた.術後合併症は両群で類似しており,院内死亡率は両群とも 4%であった.全生存期間中央値は,化学放射線療法+手術群では 49.4 ヵ月であったのに対し,手術群では 24.0 ヵ月であった.全生存率は,化学放射線療法+手術群のほうが有意に優れていた(ハザード比 0.657,95%信頼区間 0.495~0.871,P=0.003).

結 論

治癒する可能性のある食道癌または食道胃接合部癌の患者に術前化学放射線療法を行うと,生存が改善した.このレジメンは許容範囲の有害事象発生率に関連していた.(オランダがん基金 [KWF Kankerbestrijding] から研究助成を受けた.Netherlands Trial Register 番号:NTR487)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2012; 366 : 2074 - 84. )