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November 29, 2012 Vol. 367 No. 22

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ウガンダの HIV 感染児における抗レトロウイルス薬とマラリア予防
Antiretroviral Agents and Prevention of Malaria in HIV-Infected Ugandan Children

J. Achan and Others

背景

ヒト免疫不全ウイルス(HIV)プロテアーゼ阻害薬は,in vitro で熱帯熱マラリア原虫(Plasmodium falciparum)に対して活性を示す.われわれは,HIV 感染児におけるマラリアの発生率は,ロピナビル/リトナビル配合剤をベースとした抗レトロウイルス療法(ART)を受けている児のほうが,非ヌクレオシド系逆転写酵素阻害薬(NNRTI)をベースとした ART を受けている児よりも低いという仮説を立てた.

方 法

生後 2 ヵ月~5 歳の HIV 感染児で,ART の適応があるか,現在 NNRTI をベースとした ART を受けている例を対象とした非盲検試験において,対象をロピナビル/リトナビルをベースとした ART 群と NNRTI をベースとした ART 群に無作為に割り付け,6 ヵ月~ 2 年間追跡した.合併症を伴わないマラリアの症例にはアーテメター(artemether)/ルメファントリン(lumefantrine)配合剤による治療を行った.主要エンドポイントはマラリアの発生率とした.

結 果

176 例を登録し,そのうち 170 例が試験レジメンを受けた.内訳は,NNRTI をベースとした ART 群 86 例,ロピナビル/リトナビルをベースとした ART 群 84 例であった.マラリアの発生率は,ロピナビル/リトナビルをベースとしたレジメンを受けた児のほうが,NNRTI をベースとしたレジメンを受けた児よりも低く(エピソード回数 1.32/人・年 対 2.25/人・年,発生率比 0.59,95%信頼区間 [CI] 0.36~0.97,P=0.04),アーテメター/ルメファントリンによる治療後のマラリアの再発リスクについても同様であった(28.1% 対 54.2%,ハザード比 0.41,95% CI 0.22~0.76,P=0.004).マラリアに対する治療後 7 日目のルメファントリン濃度の中央値は,ロピナビル/リトナビル群のほうが NNRTI 群よりも有意に高かった.ロピナビル/リトナビル群では,7 日目のルメファントリン濃度が 300 ng/mL を上回っていることが,マラリア再発の 63 日リスクの 85%を超える低下と関連した.重篤な有害事象の発生数は,ロピナビル/リトナビル群のほうが NNRTI 群よりも多かった(5.6% 対 2.3%,P=0.16).瘙痒はロピナビル/リトナビル群で有意に多く,アラニンアミノトランスフェラーゼ値上昇は NNRTI 群で有意に多くみられた.

結 論

ロピナビル/リトナビルをベースとした ART により,NNRTI をベースとした ART と比較して,マラリアの発生率が 41%低下した.この低下は主に,アーテメター/ルメファントリンによる治療後のマラリア再発が有意に減少したことに起因するものであった.ロピナビル/リトナビルをベースとした ART には,重篤な有害事象の増加が伴った.(米国ユニス・ケネディ・シュライバー国立小児保健人間発達研究所から研究助成を受けた.ClinicalTrials.gov 番号:NCT00978068)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2012; 367 : 2110 - 8. )