December 27, 2012 Vol. 367 No. 26
早期持続陽圧呼吸療法およびパルス酸素飽和度測定に関する試験における神経発達の転帰
Neurodevelopmental Outcomes in the Early CPAP and Pulse Oximetry Trial
Y.E. Vaucher and Others
以前われわれが報告した,乳児を対象に早期持続陽圧呼吸療法(CPAP)と早期サーファクタント投与とを比較した試験の結果では,死亡または気管支肺異形成症の転帰に有意差は認められなかった.酸素飽和度の目標値が低い場合は,高い場合と比較して重度の網膜症の発生率が低いことと関連していたが,高い死亡率とも関連していた.われわれが事前に規定した仮説について,長期の結果を報告する.
2×2 要因デザインを用いて,在胎 24 週 0 日~27 週 6 日で出生した児を,限定的な換気戦略とともに早期 CPAP を行う群と早期サーファクタント投与を行う群に無作為に割り付け,さらに酸素飽和度の目標値が低い群(85~89%)と高い群(91~95%)に無作為に割り付けた.長期解析の主要複合転帰は,修正月齢 18~22 ヵ月時で評価する以前の死亡,または 18~22 ヵ月時での神経発達障害とした.
登録した 1,316 例中 1,234 例(93.8%)で主要転帰を判定しえた.生存児 1,058 例中 990 例(93.6%)を修正月齢 18~22 ヵ月時で評価した.死亡または神経発達障害は,CPAP 群では 27.9%(乳児 621 例中 173 例)に発生したのに対し,サーファクタント群では 29.9%(613 例中 183 例)に発生した(相対リスク 0.93,95%信頼区間 [CI] 0.78~1.10,P=0.38).また,低酸素飽和度群では 30.2%(612 例中 185 例)に発生したのに対し,高酸素飽和度群では 27.5%(622 例中 171 例)に発生した(相対リスク 1.12,95% CI 0.94~1.32,P=0.21).死亡率は低酸素飽和度群のほうが高かった(22.1% 対 高酸素飽和度群 18.2%,相対リスク 1.25,95% CI 1.00~1.55,P=0.046).
超早産児を,早期 CPAP と早期サーファクタント投与,酸素飽和度の目標値が低い群と高い群に無作為に割り付けた結果,死亡および神経発達障害の複合転帰に有意差は認められなかった.(米国ユニス・ケネディ・シュライバー国立小児保健・人間発達研究所,米国国立心臓・肺・血液研究所から研究助成を受けた.SUPPORT ClinicalTrials.gov 番号:NCT00233324)