The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

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日本語アブストラクト

May 30, 2013 Vol. 368 No. 22

成人 de novo 急性骨髄性白血病のゲノムおよびエピゲノムの全体像
Genomic and Epigenomic Landscapes of Adult De Novo Acute Myeloid Leukemia

The Cancer Genome Atlas Research Network

背景

急性骨髄性白血病(AML)の発症機序に寄与する変異の多くは明らかにされていない.変異のパターンとエピジェネティックな表現型との関連はまだ明らかにされていない.

方 法

臨床的注釈が付けられた成人 de novo AML 症例 200 例のゲノムを,全ゲノム配列決定(50 例)または全エクソーム配列決定(150 例)により解析し,RNA 配列決定,microRNA 配列決定,DNA メチル化解析を行った.

結 果

AML のゲノムには,ほかの成人癌の多くと比較して変異が少なく,遺伝子には平均 13 個の変異が認められる程度である.このうち平均 5 個が,AML で変異している頻度の高い遺伝子に存在している.計 23 個の遺伝子が有意に変異し,そのほかにも 237 個が 2 検体以上で変異していた.ほとんどの検体において,発症機序にほぼ確実に関連する,以下の 9 つの遺伝子カテゴリーのいずれかに,1 つ以上の非同義変異が認められた:転写因子融合(18%),ヌクレオフォスミンをコードする遺伝子(NPM1)(27%),腫瘍抑制遺伝子(16%),DNA メチル化関連遺伝子(44%),シグナル伝達遺伝子(59%),クロマチン修飾遺伝子(30%),骨髄系転写因子遺伝子(22%),コヒーシン複合体遺伝子(13%),スプライセオソーム複合体遺伝子(14%).協調性と相互排他性のパターンから,遺伝子とカテゴリーのいくつかに強固な生物学的関係があることが示唆された.

結 論

ほとんどの AML 検体において,原因になる可能性のある変異が 1 つ以上同定され,個々の患者では遺伝子的イベントの複雑な相互作用が AML の発症機序に寄与していることが明らかになった.この研究のデータベースは,AML の発症機序,分類,リスク層別化をさらに検討するための基盤として広く利用可能である.(米国国立衛生研究所から研究助成を受けた.)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2013; 368 : 2059 - 74. )