The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

年間購読お申込み

日本語アブストラクト

March 14, 2013 Vol. 368 No. 11

Share

Share on Facebook
Facebookで共有する
Share on Twitter
Twitterでつぶやく
Share on Note
noteに投稿する

RSS

RSS

坐骨神経痛の追跡評価における MRI
Magnetic Resonance Imaging in Follow-up Assessment of Sciatica

A. el Barzouhi and Others

背景

磁気共鳴画像法(MRI)は,腰椎椎間板ヘルニアを認め,坐骨神経痛の症状が持続する患者の追跡時によく行われる.MRI 所見と臨床転帰との関連については,意見が分かれている.

方 法

坐骨神経痛と腰椎椎間板ヘルニアに対して,手術と長期保存的治療とを比較する無作為化試験に参加した患者 283 例を検討した.患者はベースラインと 1 年後に MRI 検査を受けた.MRI による椎間板ヘルニアの評価には,1 点「確実に存在する」から 4 点「確実に存在しない」までの 4 点尺度を用いた.良好な臨床転帰は,1 年の時点での症状の完全な消失,またはほぼ完全な消失と定義した.1 年の時点で良好な転帰が得られた患者の割合を,椎間板ヘルニアが確実に存在しなかった患者と,椎間板ヘルニアが確実に存在した患者・存在した可能性が高い患者・存在した可能性がある患者とのあいだで比較した.受信者動作特性(ROC)曲線下面積を用いて,良好または不良な転帰に関する 4 点スコアの予後予測精度を評価した:1 は完全な識別能を有すること,0.5 以下は識別能がないことを示す.

結 果

1 年の時点で,患者の 84%が良好な転帰を報告した.椎間板ヘルニアは,転帰良好例の 35%,転帰不良例の 33%に認められた(P=0.70).良好な転帰は,椎間板ヘルニアを認めた患者の 85%,椎間板ヘルニアを認めなかった患者の 83%で報告された(P=0.70).MRI による椎間板ヘルニアの評価では,転帰良好例と不良例は識別されなかった(ROC 曲線下面積 0.48).

結 論

坐骨神経痛と腰椎椎間板ヘルニアに対する治療を受けていた患者において,1 年後の追跡調査で行った MRI では,転帰良好例と不良例は識別されなかった.(オランダ健康研究開発機構,Hoelen 財団から研究助成を受けた.Controlled Clinical Trials 番号:ISRCTN26872154)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2013; 368 : 999 - 1007. )