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September 12, 2013 Vol. 369 No. 11

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大腸癌における RAS 変異とパニツムマブ+FOLFOX4併用療法
Panitumumab–FOLFOX4 Treatment and RAS Mutations in Colorectal Cancer

J.-Y. Douillard and Others

背景

KRAS のエクソン 2 に変異を有する転移性大腸癌患者は,抗上皮成長因子受容体(EGFR)療法の効果は得られない.ほかの活性化型 RAS 変異も,抗 EGFR 療法の負の予測バイオマーカーとなる可能性がある.

方 法

前向きおよび後ろ向き解析により,パニツムマブ+オキサリプラチン,フルオロウラシル,ロイコボリン(FOLFOX4)併用療法の有効性と安全性を,RASKRASNRAS)または BRAF 変異の有無に応じて,FOLFOX4 療法単独と比較した.KRAS のエクソン 2 に変異を有しない転移性大腸癌患者 639 例は,KRAS エクソン 3,4,NRAS エクソン 2,3,4,BRAF エクソン 15 のうち少なくとも 1 つに変異を有していた.全体で,RAS 変異の検査結果が得られた割合は 90%であった.

結 果

RAS 変異を有しない 512 例における無増悪生存期間は,パニツムマブ+FOLFOX4 併用療法で 10.1 ヵ月であったのに対し,FOLFOX4 単独療法では 7.9 ヵ月であった(併用療法による増悪または死亡のハザード比 0.72,95%信頼区間 [CI] 0.58~0.90,P=0.004).全生存期間は,パニツムマブ+FOLFOX4 併用療法群では 26.0 ヵ月であったのに対し,FOLFOX4 単独療法群では 20.2 ヵ月であった(死亡のハザード比 0.78,95% CI 0.62~0.99,P=0.04).KRAS エクソン 2 に変異を有しない患者 108 例(17%)は,他の RAS 変異を有していた.これらの変異は,パニツムマブ+FOLFOX4 併用療法における無増悪生存期間と全生存期間の短縮との関連が示され,KRAS エクソン 2 に変異を有する患者の所見とも一致した.BRAF 変異は負の予後因子であった.新たな安全性シグナルは同定されなかった.

結 論

新たな RAS 変異によって,それを有する患者はパニツムマブ+FOLFOX4 併用療法の効果が得られないことが予測された.RAS 変異を有しない転移性大腸癌患者では,パニツムマブ+FOLFOX4 併用療法で全生存率の改善が認められた.(Amgen 社ほかから研究助成を受けた.PRIME ClinicalTrials.gov 番号:NCT00364013)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2013; 369 : 1023 - 34. )