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October 31, 2013 Vol. 369 No. 18

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中悪性度非ホジキンリンパ腫に対する強化療法としての自家移植
Autologous Transplantation as Consolidation for Aggressive Non-Hodgkin's Lymphoma

P.J. Stiff and Others

背景

国際予後指標(IPI)分類で高中リスクまたは高リスクのびまん性中悪性度非ホジキンリンパ腫患者において,第一寛解期に行う自家幹細胞移植の有効性については議論があり,リツキシマブが登場してからは検証されていない.

方 法

年齢補正 IPI で高リスクまたは高中リスクに分類された非ホジキンリンパ腫患者 397 例を対象として,シクロホスファミド/ドキソルビシン/ビンクリスチン/プレドニゾン(prednisone)(CHOP)療法,または CHOP+リツキシマブ療法を 5 サイクル行った.奏効が得られた患者を,さらに 3 サイクルの導入化学療法を行う群(対照群)と,1 サイクルの導入化学療法後に自家幹細胞移植を行う群(移植群)に無作為に割り付けた.主要有効性評価項目は,2 年の時点での無増悪生存率および全生存率とした.

結 果

追加の導入療法に適格であった 370 例のうち,253 例を移植群(125 例)と対照群(128 例)に無作為に割り付けた.移植群の 46 例と対照群の 68 例は増悪するか死亡し,2 年無増悪生存率はそれぞれ 69%と 55%であった(移植群に対する対照群のハザード比 1.72,95%信頼区間 [CI] 1.18~2.51,P=0.005).移植群の 37 例と対照群の 47 例が死亡し,2 年全生存率はそれぞれ 74%と 71%であった(ハザード比 1.26,95% CI 0.82~1.94,P=0.30).探索的解析から,リスクレベルによって治療効果に差があることが,無増悪生存率(相互作用の P=0.04)と全生存率(相互作用の P=0.01)の両方について示された.高リスク患者の 2 年全生存率は,移植群で 82%,対照群で 64%であった.

結 論

高中リスクまたは高リスクの非ホジキンリンパ腫で,導入療法が奏効した患者に対する早期の自家幹細胞移植により,無増悪生存率が改善した.移植後の全生存率に改善は認められなかったが,これはおそらく救済移植の有効性によるものと考えられる.(米国国立がん研究所,米国保健福祉省ほかから研究助成を受けた.SWOG-9704 ClinicalTrials.gov 番号:NCT00004031)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2013; 369 : 1681 - 90. )