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March 20, 2014 Vol. 370 No. 12

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新生児に対する高頻度振動換気法に関する無作為化試験の後期転帰
Late Outcomes of a Randomized Trial of High-Frequency Oscillation in Neonates

S. Zivanovic and Others

背景

新生児の観察研究の結果から,高頻度振動換気法(HFOV)は,従来換気法と比較して,追跡時の末梢気道機能がより良好であることと関連することが示唆されている.この知見を確認するための無作為化試験のデータが求められている.

方 法

在胎 29 週未満で出生し,出生直後の HFOV と従来換気法を比較する多施設共同無作為化試験に登録され,思春期に達した 319 例を調査した.試験は新生児 797 例を対象とし,このうち 592 例が生存退院した.参加者が 11~14 歳になった時点で質問票への回答を依頼し,肺機能と呼吸器の健康状態,健康関連 QOL,機能状態に関して,HFOV に無作為に割り付けられた例の追跡データと従来換気法に無作為に割り付けられた例の追跡データを比較した.主要評価項目は,呼気肺活量の 75%での努力呼気流量(FEF75)とした.

結 果

HFOV 群は,末梢気道機能の検査でより良好な結果を示した(FEF75 の z スコア:HFOV -0.97 対 従来換気法 -1.19,補正後の差 0.23 [95%信頼区間 0.02~0.45]).そのほか 1 秒量,努力肺活量,最大呼気流量,拡散能,インパルスオシロメトリー所見など複数の呼吸機能の測定結果においても,HFOV を支持する有意な差が認められた.学校の教科についても,HFOV 群は,従来換気群と比較して,調査した 8 科目中 3 科目で教師から有意に高い評価を受けていたが,機能的転帰に関してはほかに有意な差は認められなかった.

結 論

超早産児を対象とした無作為化試験において,HFOV を受けた例は,従来換気法を受けた例と比較して,11~14 歳の時点での肺機能が優れており,機能的転帰がより不良であることを示すエビデンスは認められなかった.(米国国立衛生研究所医療技術評価研究プログラムほかから研究助成を受けた.)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2014; 370 : 1121 - 30. )