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April 24, 2014 Vol. 370 No. 17

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ABT-450/r,オムビタスビル,ダサブビル,リバビリンを併用する C 型肝炎ウイルスの再治療
Retreatment of HCV with ABT-450/r–Ombitasvir and Dasabuvir with Ribavirin

S. Zeuzem and Others

背景

第 3 相試験において,ペグインターフェロン+リバビリンによる治療歴がある患者の HCV の再治療に,ABT-450+リトナビル(ABT-450/r),オムビタスビル(ombitasvir)(別名 ABT-267),ダサブビル(dasabuvir)(別名 ABT-333),リバビリンを併用するインターフェロンを用いない治療の有効性と安全性を評価した.

方 法

肝硬変を伴わない HCV 遺伝型 1 型感染患者で,ペグインターフェロン+リバビリンによる治療を受けたものの,再発したか,部分奏効が認められたか,奏効がまったく認められなかった例を登録した.12 週間の二重盲検期間のあいだ,患者を,ABT-450/r・オムビタスビル配合剤(ABT-450 150 mg,リトナビル 100 mg,オムビタスビル 25 mg,1 日 1 回),ダサブビル(250 mg,1 日 2 回),リバビリン(1 日 1,000mg または 1,200 mg)を併用する群と,これらにマッチさせたプラセボを投与する群に,3:1 の割合で無作為に割り付けた.主要評価項目は,試験治療終了後 12 週の時点におけるウイルス排除(SVR)率とした.主要有効性解析では,実薬レジメンに割り付けられた患者の SVR 率を,肝硬変を伴わない治療歴のある HCV 遺伝型 1 型感染患者で,テラプレビルとペグインターフェロン+リバビリンによる再治療を受けた歴史的対照の SVR 率(65%)と比較した.

結 果

394 例が試験薬の投与を 1 回以上受けた.実薬レジメン群の 297 例中 286 例が,治療後 12 週の時点で,全般的 SVR 率 96.3%(95%信頼区間 94.2~98.4)を示した.この割合は,歴史的対照の SVR 率に対して非劣性と優越性を示した.SVR 率は,再発歴のある患者で 95.3%(86 例中 82 例),部分奏効が認められた患者で 100%(65 例中 65 例),奏効がまったく認められなかった患者で 95.2%(146 例中 139 例)であった.瘙痒は,実薬レジメン群(患者の 13.8%)でプラセボ群(5.2%)よりも高頻度に発生した(P=0.03).実薬レジメン群の 3 例(1.0%)が有害事象により試験薬を中止した.実薬レジメン群では,グレード 2(8.0~<10.0 g/dL)のヘモグロビン濃度が患者の 4.7%に,グレード 3(6.5~<8.0 g/dL)のヘモグロビン濃度が 0.3%に認められた.

結 論

過去に奏効がまったく認められなかった患者を含む,治療歴のある HCV 遺伝型 1 型感染患者において,インターフェロンを用いない 12 週間の併用レジメンの SVR 率は 95%を超えた.(AbbVie 社から研究助成を受けた.SAPPHIRE-II 試験 ClinicalTrials.gov 登録番号:NCT01715415)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2014; 370 : 1604 - 14. )