The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

年間購読お申込み

日本語アブストラクト

May 22, 2014 Vol. 370 No. 21

Share

Share on Facebook
Facebookで共有する
Share on Twitter
Twitterでつぶやく
Share on Note
noteに投稿する

RSS

RSS

C 型肝炎ウイルス遺伝型 2 型および 3 型に対するソホスブビルとリバビリン
Sofosbuvir and Ribavirin in HCV Genotypes 2 and 3

S. Zeuzem and Others

背景

臨床試験において,ヌクレオチドポリメラーゼ阻害薬ソホスブビル(sofosbuvir)と抗ウイルス薬リバビリンの併用療法は,C 型肝炎ウイルス(HCV)遺伝型 2 型感染患者では高いウイルス排除(SVR)率と関連したが,HCV 遺伝型 3 型感染患者ではより低い SVR 率と関連した.

方 法

試験の対象は,HCV 遺伝型 2 型または 3 型感染患者とし,インターフェロン療法による治療歴のある患者が含まれた.HCV 遺伝型 2 型感染患者 91 例と HCV 遺伝型 3 型感染患者 328 例を,12 週間にわたりソホスブビル+リバビリンを投与する群と,プラセボを投与する群に 4:1 の割合で無作為に割り付けた.別の第 3 相試験で,HCV 遺伝型 3 型感染患者では,16 週間の投与によって,12 週間の投与と比較して高い SVR 率が得られたという新たなデータに基づき,この試験の盲検を解除し,すべての遺伝型 3 型感染患者の治療は 24 週間まで延長し,プラセボ群は終了させ,試験の目的を,仮説検証を含まない記述的研究として定義し直した.主要評価項目は治療終了後 12 週の時点での SVR とした.

結 果

試験に登録し,治療を行った 419 例のうち,21%が肝硬変を有し,58%にインターフェロン療法による治療歴があった.SVR の基準を満たしたのは,12 週間投与を受けた HCV 遺伝型 2 型感染患者 73 例中 68 例(93%,95%信頼区間 [CI] 85~98)と,24 週間投与を受けた HCV 遺伝型 3 型感染患者 250 例中 213 例(85%,95% CI 80~89)であった.HCV 遺伝型 3 型感染患者における SVR 率は,肝硬変を伴わない患者で 91%,肝硬変を伴う患者で 68%であった.頻度の高かった有害事象は,頭痛,倦怠感,瘙痒であった.

結 論

ソホスブビル+リバビリンの併用療法を,HCV 遺伝型 2 型感染患者には 12 週間,HCV 遺伝型 3 型感染患者には 24 週間行うことで,高い SVR 率が得られた.(Gilead Sciences 社から研究助成を受けた.VALENCE 試験:ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT01682720)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2014; 370 : 1993 - 2001. )