C 型肝炎ウイルス遺伝型 2 型および 3 型に対するソホスブビルとリバビリン
Sofosbuvir and Ribavirin in HCV Genotypes 2 and 3
S. Zeuzem and Others
臨床試験において,ヌクレオチドポリメラーゼ阻害薬ソホスブビル(sofosbuvir)と抗ウイルス薬リバビリンの併用療法は,C 型肝炎ウイルス(HCV)遺伝型 2 型感染患者では高いウイルス排除(SVR)率と関連したが,HCV 遺伝型 3 型感染患者ではより低い SVR 率と関連した.
試験の対象は,HCV 遺伝型 2 型または 3 型感染患者とし,インターフェロン療法による治療歴のある患者が含まれた.HCV 遺伝型 2 型感染患者 91 例と HCV 遺伝型 3 型感染患者 328 例を,12 週間にわたりソホスブビル+リバビリンを投与する群と,プラセボを投与する群に 4:1 の割合で無作為に割り付けた.別の第 3 相試験で,HCV 遺伝型 3 型感染患者では,16 週間の投与によって,12 週間の投与と比較して高い SVR 率が得られたという新たなデータに基づき,この試験の盲検を解除し,すべての遺伝型 3 型感染患者の治療は 24 週間まで延長し,プラセボ群は終了させ,試験の目的を,仮説検証を含まない記述的研究として定義し直した.主要評価項目は治療終了後 12 週の時点での SVR とした.
試験に登録し,治療を行った 419 例のうち,21%が肝硬変を有し,58%にインターフェロン療法による治療歴があった.SVR の基準を満たしたのは,12 週間投与を受けた HCV 遺伝型 2 型感染患者 73 例中 68 例(93%,95%信頼区間 [CI] 85~98)と,24 週間投与を受けた HCV 遺伝型 3 型感染患者 250 例中 213 例(85%,95% CI 80~89)であった.HCV 遺伝型 3 型感染患者における SVR 率は,肝硬変を伴わない患者で 91%,肝硬変を伴う患者で 68%であった.頻度の高かった有害事象は,頭痛,倦怠感,瘙痒であった.
ソホスブビル+リバビリンの併用療法を,HCV 遺伝型 2 型感染患者には 12 週間,HCV 遺伝型 3 型感染患者には 24 週間行うことで,高い SVR 率が得られた.(Gilead Sciences 社から研究助成を受けた.VALENCE 試験:ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT01682720)