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May 29, 2014 Vol. 370 No. 22

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特発性肺線維症に対するアセチルシステインの無作為化試験
Randomized Trial of Acetylcysteine in Idiopathic Pulmonary Fibrosis

The Idiopathic Pulmonary Fibrosis Clinical Research Network

背景

アセチルシステインは特発性肺線維症の有用な治療薬であることが示唆されているが,プラセボ対照試験のデータはない.

方 法

二重盲検プラセボ対照試験として,われわれは当初,軽度~中等度の肺機能障害を有する特発性肺線維症患者を,プレドニゾン(prednisone),アザチオプリン,アセチルシステインの 3 剤レジメン群,アセチルシステイン単独群,プラセボ群に無作為に割り付けた.試験は 3 剤レジメンに関連する安全性への懸念のために中断された.試験は 2 群の試験(アセチルシステイン 対 プラセボ)として変更され,それ以外の変更は行わずに継続された.133 例がアセチルシステイン群,131 例がプラセボ群に組み入れられた.主要転帰は,60 週間における努力肺活量(FVC)の変化量とした.

結 果

60 週の時点で,アセチルシステイン群とプラセボ群とのあいだで FVC の変化量に有意差は認められなかった(それぞれ -0.18 L と -0.19 L,P=0.77).さらに,アセチルシステイン群とプラセボ群とのあいだで,死亡率にも(4.9% 対 2.5%,log-rank 検定で P=0.30),急性増悪の発生率にも(各群 2.3%,P>0.99)有意差は認められなかった.

結 論

軽度~中等度の肺機能障害を有する特発性肺線維症患者の FVC の維持療法として,アセチルシステインにより,プラセボと比較して有意な利益は得られなかった.(米国国立心臓・肺・血液研究所ほかから研究助成を受けた.ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT00650091)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2014; 370 : 2093 - 101. )