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September 18, 2014 Vol. 371 No. 12

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腎結石症疑いに対する超音波検査と CT の比較
Ultrasonography versus Computed Tomography for Suspected Nephrolithiasis

R. Smith-Bindman and Others

背景

腎結石症の疑いがある患者に対する初回画像検査法は,CT と超音波検査のどちらにすべきかという点で意見が一致していない.

方 法

この多施設共同実用的有効性比較試験では,腎結石症の疑いで救急受診した 18~76 歳の患者を,初回診断検査として,救急医が行う超音波検査(ポイントオブケア超音波検査),放射線科医が行う超音波検査(放射線科超音波検査),腹部 CT のいずれかに無作為に割り付けた.追加の画像検査を含むその後の管理は医師の判断に任せた.見逃しまたは診断の遅れと関連する可能性のある,最初の 30 日以内の高リスク合併症診断の発生率と,6 ヵ月累積放射線被曝量について 3 群を比較した.副次的転帰は,重篤な有害事象,関連する重篤な有害事象(試験参加に起因すると判断されるもの),疼痛(11 段階で,スコアが高いほど痛みが強いことを示す視覚的評価スケール [VAS] で評価),救急再受診,入院,診断精度とした.

結 果

2,759 例を無作為化し,908 例をポイントオブケア超音波検査に,893 例を放射線科超音波検査に,958 例を CT に割り付けた.最初の 30 日以内の高リスク合併症診断の発生率は低く(0.4%),画像検査法による差は認められなかった.6 ヵ月累積放射線被曝量の平均は,超音波検査を行った 2 群のほうが CT 群と比較して有意に低かった(P<0.001).重篤な有害事象は,ポイントオブケア超音波検査群の 12.4%,放射線科超音波検査群の 10.8%,CT 群の 11.2%で発現した(P=0.50).関連する有害事象の頻度は低く(発現率 0.4%),群間で同程度であった.7 日の時点で,疼痛スコアの平均は各群 2.0 であった(P=0.84).救急再受診,入院,診断精度に,群間で有意差は認められなかった.

結 論

初回超音波検査は,初回 CT と比較して累積放射線被曝量が低く,高リスク合併症診断,重篤な有害事象,疼痛スコア,救急再受診,入院に有意差は認められなかった.(米国医療研究品質局から研究助成を受けた.)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2014; 371 : 1100 - 10. )