September 25, 2014 Vol. 371 No. 13
重症好酸球性喘息患者に対するメポリズマブ治療
Mepolizumab Treatment in Patients with Severe Eosinophilic Asthma
H.G. Ortega and Others
重症喘息患者の一部には,高用量吸入グルココルチコイド投与を経口グルココルチコイドの併用の有無を問わず継続的に行っているにもかかわらず,持続する好酸球性炎症に関連する増悪を頻繁にきたす.
無作為化二重盲検ダブルダミー試験において,高用量の吸入グルココルチコイドによる治療を行っているにもかかわらず,喘息の増悪を繰り返し好酸球性炎症の所見が認められる患者 576 例を,抗インターロイキン-5 ヒト化モノクローナル抗体メポリズマブ(mepolizumab)75 mg を静注する群,100 mg を皮下投与する群,プラセボを投与する群に割り付けた.投与は 4 週ごとに 32 週間行った.主要評価項目は増悪の発生率とした.その他の評価項目は,1 秒量(FEV1),セントジョージ呼吸器質問票(SGRQ)のスコア,5 項目の喘息コントロール質問票(ACQ-5)のスコアなどとした.安全性の評価も行った.
増悪の発生率は,プラセボ群と比較してメポリズマブ静注群では 47%(95%信頼区間 [CI] 29~61)低下し,皮下投与群では 53%(95% CI 37~65)低下した(両比較について P<0.001).救急受診または入院を必要とする増悪の発生率は,メポリズマブ静注群では 32%低下し,皮下投与群では 61%低下した.32 週の時点で,FEV1 のベースラインからの増加の平均は,プラセボ群と比較してメポリズマブ静注群では 100 mL 大きく(P=0.02),皮下投与群では 98 mL 大きかった(P=0.03).SGRQ スコアのベースラインからの改善(臨床的に重要な変化の最小値は 4 ポイント)は,プラセボ群と比較してメポリズマブ静注群では 6.4 ポイント大きく,皮下投与群では 7.0 ポイント大きく,ACQ-5 スコアの改善(臨床的に重要な変化の最小値は 0.5 ポイント)は,プラセボ群と比較してメポリズマブ静注群では 0.42 ポイント大きく,皮下投与群では 0.44 ポイント大きかった(すべての比較について P<0.001).メポリズマブの安全性プロファイルはプラセボと類似していた.
メポリズマブの静注または皮下投与によって,喘息の増悪が有意に減少し,喘息コントロールの指標に改善が認められた.(GlaxoSmithKline 社から研究助成を受けた.MENSA 試験:ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT01691521)