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August 21, 2014 Vol. 371 No. 8

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RS ウイルス実験感染試験における経口 GS-5806 の活性
Oral GS-5806 Activity in a Respiratory Syncytial Virus Challenge Study

J.P. DeVincenzo and Others

背景

RS ウイルス(RSV)は,乳児の入院の主な原因であり,疾患や死亡の重大な原因としての認識が高まっている.認められている抗ウイルス治療は存在しない.

方 法

RSV 臨床株を健常成人において実験的に鼻腔内投与し,経口 RSV 侵入阻害薬 GS-5806 を検討する二重盲検プラセボ対照試験を行った.参加者を 12 日間モニタリングした.7 つの連続する参加者コホートにおいて,RSV 感染の検査が陽性となった時点,または接種 5 日後のいずれか早いほうの時点で,GS-5806 またはプラセボに無作為に割り付けた.コホート 1~4 では,GS-5806 50 mg を初回投与後 25 mg/日を 4 日間投与し,コホート 5 では 50 mg を初回投与後 25 mg/日を 2 日間投与し,コホート 6 では 100 mg を単回投与し,コホート 7 では 10 mg を初回投与後 5 mg/日を 4 日間投与した.コホート 5,6,7 の用量は,コホート 1~4 のデータの中間解析後に選択した.主要評価項目は,初回投与後から接種後 12 日目まで評価したウイルス量の曲線下面積(AUC)とした.副次的評価項目は,粘液の重量と症状スコアとした.

結 果

RSV に感染したコホート 1~4 の 54 例において,実薬治療は,ウイルス量が少ないこと(補正後の平均 250.7 log10 プラーク形成単位等量 [PFUe]×時間/mL 対 757.7 log10 PFUe×時間/mL,P<0.001),粘液の総重量が少ないこと(平均 6.9 g 対 15.1 g,P=0.03),症状スコアのベースラインからの変化の AUC が小さいこと(補正後の平均 -20.2×時間 対 204.9×時間,P=0.005)に関連した.コホート 5,6,7 でも結果は同様であった.好中球数低値,アラニンアミノトランスフェラーゼ値上昇などの有害事象は,GS-5806 投与例でより多く認められた.

結 論

健常成人を対象とした実験感染試験において,GS-5806 投与により,ウイルス量と臨床疾患の重症度が低下した.(Gilead Sciences 社から研究助成を受けた.ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT01756482)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2014; 371 : 711 - 22. )