The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

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日本語アブストラクト

April 23, 2015 Vol. 372 No. 17

早期ホジキンリンパ腫の化学療法後の PET 所見に基づく治療戦略に関する試験の結果
Results of a Trial of PET-Directed Therapy for Early-Stage Hodgkin’s Lymphoma

J. Radford and Others

背景

早期ホジキンリンパ腫の患者に対して,ドキソルビシン,ブレオマイシン,ビンブラスチン,ダカルバジン(ABVD)による化学療法を 3 サイクル行った後,陽電子放射断層撮影(PET)で陰性を示した場合に,放射線療法が必要かどうかは明らかにされていない.

方 法

新たに病期 IA または IIA のホジキンリンパ腫と診断された患者に,ABVD 療法を 3 サイクル施行後,PET を行った.PET 陰性を示した患者を,病変部位に限局した照射を行う群と,それ以上の治療を行わない群に無作為に割り付けた.PET 陽性を示した患者には,ABVD 療法 4 サイクル目と放射線療法を行った.無治療群の非劣性を評価するこの試験は,3 年無増悪生存率について,放射線療法群の推定無増悪生存率 95%から,7 パーセントポイント以上の差を除外するようデザインされた.

結 果

602 例(男性 53.3%,年齢中央値 34 歳)が登録され,571 例が PET を受けた.PET 陰性を示した 426 例(74.6%)のうち,420 例を試験群(放射線療法群 209 例,無治療群 211 例)に無作為に割り付けた.追跡期間中央値 60 ヵ月の時点で,放射線療法群では,病勢進行は 8 例,死亡は 8 例(病勢進行による死亡 3 例,ホジキンリンパ腫による死亡 1 例)認められた.無治療群では,病勢進行は 20 例,死亡は 4 例(病勢進行による死亡 2 例,ホジキンリンパ腫による死亡例なし)認められた.放射線療法群の死亡例のうち 5 例は,放射線療法を受けていない患者であった.3 年無増悪生存率は,放射線療法群で 94.6%(95%信頼区間 [CI] 91.5~97.7),無治療群で 90.8%(95% CI 86.9~94.8)であり,絶対リスク差は,-3.8 パーセントポイント(95% CI -8.8~1.3)であった.

結 論

この試験の結果からは,化学療法後に治療を行わない戦略が,無増悪生存に関して非劣性であることは示されなかった.しかし,ABVD 療法を 3 サイクル施行後に PET 陰性を示した早期ホジキンリンパ腫の患者の予後は,地固め療法としての放射線療法の実施を問わず,きわめて良好であった.(白血病とリンパ腫研究ほかから研究助成を受けた.RAPID 試験:ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT00943423)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2015; 372 : 1598 - 607. )