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May 21, 2015 Vol. 372 No. 21

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非小細胞肺癌の治療に用いるペムブロリズマブ
Pembrolizumab for the Treatment of Non–Small-Cell Lung Cancer

E.B. Garon and Others

背景

第 1 相試験に登録された進行非小細胞肺癌患者において,ペムブロリズマブ(pembrolizumab)によるプログラム細胞死 1(PD-1)阻害の有効性と安全性を評価した.PD-1 リガンド 1(PD-L1)の臨床的利益の可能性に関連する発現量の定義,および検証も試みた.

方 法

ペムブロリズマブ(2 mg/kg 体重を 3 週ごと,10 mg/kg を 3 週ごと,10 mg/kg を 2 週ごとのいずれか)を投与中の患者 495 例を,検討群(182 例)と検証群(313 例)に割り付けた.免疫組織化学的解析によって腫瘍検体における PD-L1 の発現を評価し,結果は,細胞膜染色にて PD-L1 陽性であった腫瘍細胞の比率(比率スコア)として報告した.効果を 9 週ごとに中央判定により評価した.

結 果

ペムブロリズマブに起因する副作用で頻度が高かったのは,疲労,瘙痒,食欲減退であり,投与量,投与スケジュールによる明らかな差は認められなかった.患者全例における客観的奏効率は 19.4%,奏効期間中央値は 12.5 ヵ月であった.無増悪生存期間中央値は 3.7 ヵ月,全生存期間中央値は 12.0 ヵ月であった.検討群から,腫瘍細胞の 50%以上での PD-L1 発現をカットオフ値として選択した.検証群で,比率スコアが 50%以上であった患者における奏効率は 45.2%であった.比率スコアが 50%以上であった患者全例における無増悪生存期間中央値は 6.3 ヵ月,全生存期間中央値は未到達であった.

結 論

ペムブロリズマブは,進行非小細胞肺癌患者において忍容可能な副作用プロファイルを有し,抗腫瘍活性を示した.腫瘍細胞の 50%以上での PD-L1 発現には,ペムブロリズマブの有効性の向上との相関が認められた.(Merck 社から研究助成を受けた.KEYNOTE-001 試験:ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT01295827)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2015; 372 : 2018 - 28. )