未治療の悪性黒色腫に対するニボルマブとイピリムマブの併用療法と単独療法との比較
Combined Nivolumab and Ipilimumab or Monotherapy in Untreated Melanoma
J. Larkin and Others
ニボルマブ(プログラム細胞死 1 [PD-1] チェックポイント阻害薬)とイピリムマブ(ipilimumab)(細胞傷害性 T リンパ球関連抗原 4 [CTLA-4] チェックポイント阻害薬)は,転移性悪性黒色腫に対して相補的な作用をもつことが示されている.無作為化二重盲検第 3 相試験において,転移性悪性黒色腫患者を対象に,ニボルマブ単独療法,ニボルマブ+イピリムマブ併用療法を,イピリムマブ単独療法と比較した.
未治療の切除不能な III 期または IV 期の悪性黒色腫患者 945 例を,ニボルマブ単独,ニボルマブ+イピリムマブ,イピリムマブ単独に 1:1:1 の割合で割り付けた.無増悪生存と全生存を主要評価項目とした.ここでは,無増悪生存に関する結果を報告する.
無増悪生存期間中央値は,ニボルマブ+イピリムマブ群 11.5 ヵ月(95%信頼区間 [CI] 8.9~16.7)に対し,イピリムマブ単独群 2.9 ヵ月(95% CI 2.8~3.4)であり(死亡または病勢進行のハザード比 0.42,99.5% CI 0.31~0.57,P<0.001),ニボルマブ単独群 6.9 ヵ月(95% CI 4.3~9.5)であった(イピリムマブ単独群と比較したハザード比 0.57,99.5% CI 0.43~0.76,P<0.001).PD-1 リガンド(PD-L1)陽性腫瘍を有する患者では,無増悪生存期間中央値はニボルマブ+イピリムマブ群,ニボルマブ単独群ともに 14.0 ヵ月であったが,PD-L1 陰性腫瘍を有する患者では,併用群のほうがニボルマブ単独群よりも長かった(11.2 ヵ月 [95% CI 8.0~未到達] 対 5.3 ヵ月 [95% CI 2.8~7.1]).グレード 3 または 4 の治療関連有害事象の発現率は,ニボルマブ単独群 16.3%,ニボルマブ+イピリムマブ群 55.0%,イピリムマブ単独群 27.3%であった.
未治療の転移性悪性黒色腫患者において,ニボルマブを単独またはイピリムマブと併用する治療によって,イピリムマブ単独と比較して,無増悪生存期間が有意に延長した.PD-L1 陰性腫瘍を有する患者では,PD-1 阻害薬と CTLA-4 阻害薬を併用したほうが,いずれかを単独で用いた場合よりも有効であった.(Bristol-Myers Squibb 社から研究助成を受けた.CheckMate 067 試験:ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT01844505)