The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

年間購読お申込み

Share

RSS

日本語アブストラクト

July 30, 2015 Vol. 373 No. 5

高トリグリセリド血症患者におけるアポリポ蛋白 C-III のアンチセンス阻害
Antisense Inhibition of Apolipoprotein C-III in Patients with Hypertriglyceridemia

D. Gaudet and Others

背景

アポリポ蛋白 C-III(APOC3)は,血漿トリグリセリド値の主要な制御因子である.トリグリセリドは心血管系有害事象,膵炎と関連している.ISIS 304801 は,APOC3 合成の第二世代アンチセンス阻害薬である.

方 法

ISIS 304801 の無作為化二重盲検プラセボ対照用量設定第 2 相試験を,トリグリセリド値を低下させる治療を受けておらず,空腹時トリグリセリド値が 350 mg/dL(4.0 mmol/L)~2,000 mg/dL(22.6 mmol/L)の患者(ISIS 304801 単剤投与コホート)と,一定用量のフィブラート系薬投与を受けており,空腹時トリグリセリド値が 225 mg/dL(2.5 mmol/L)~2,000 mg/dL の患者(ISIS 304801+フィブラート系薬併用コホート)を対象に行った.それぞれのコホートで,適格患者を,ISIS 304801 を 100~300 mg の用量で週 1 回,13 週間投与する群と,プラセボを投与する群に無作為に割り付けた.主要評価項目は APOC3 値のベースラインからの変化率とした.

結 果

57 例が ISIS 304801 単剤投与コホートで治療を受け(ISIS 304801:41 例,プラセボ:16 例),28 例が ISIS 304801+フィブラート系薬併用コホートで治療を受けた(ISIS 304801:20 例,プラセボ:8 例).ベースラインのトリグリセリド値の平均(±SD)は,単剤コホートが 581±291 mg/dL(6.6±3.3 mmol/L),併用コホートが 376±188 mg/dL(4.2±2.1 mmol/L)であった.血漿 APOC3 値は,ISIS 304801 の単剤投与,フィブラート系薬との併用のいずれによっても用量依存的かつ長期にわたり低下し,単剤投与では 100 mg 群で 40.0±32.0%低下,200 mg 群で 63.8±22.3%低下,300 mg 群で 79.6±9.3%低下したのに対し,プラセボ群では 4.2±41.7%上昇し,フィブラート系薬との併用では 200 mg 群で 60.2±12.5%低下,300 mg 群で 70.9±13.0%低下したのに対し,プラセボ群では 2.2±25.2%の低下であった.トリグリセリド値には,これらと一致する 31.3~70.9%の低下が認められた.この短期試験では,安全性の問題は確認されなかった.

結 論

ベースラインのトリグリセリド値が異なる患者集団において,ISIS 304801 の投与は,APOC3 合成の選択的アンチセンス阻害により,トリグリセリド値の有意な低下と関連することが認められた.(Isis Pharmaceuticals 社から研究助成を受けた.ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT01529424)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2015; 373 : 438 - 47. )