The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

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日本語アブストラクト

March 24, 2016 Vol. 374 No. 12

重症患児に対する早期静脈栄養と待期静脈栄養との比較
Early versus Late Parenteral Nutrition in Critically Ill Children

T. Fivez and Others

背景

成人患者に対する早期静脈栄養の有益性が最近の試験で疑問視されている.重症患児に対する早期静脈栄養が臨床転帰に及ぼす影響は明らかにされていない.

方 法

小児集中治療室(ICU)で静脈栄養を 1 週間行わなかった場合(待期静脈栄養),早期静脈栄養と比較して臨床的に優れているかどうかを検討した.2 群の輸液負荷量は同程度とした.主要エンドポイントは,ICU 入室中の新規感染と補正 ICU 在室期間の 2 つとし,ICU 在室期間は ICU 在室日数と, ICU から生存退室するまでの期間と定義した.早期静脈栄養群 723 例は ICU 入室後 24 時間以内に静脈栄養を開始し,待期静脈栄養群 717 例は ICU 入室 8 日目の午前中まで開始しなかった.両群とも経腸栄養を早期に開始し,微量栄養素の経静脈投与を行った.

結 果

死亡率は 2 群で同程度であったが,新規感染患児の割合は,早期静脈栄養群で 18.5%であったのに対し,待期静脈栄養群では 10.7%であった(補正オッズ比 0.48,95%信頼区間 [CI] 0.35~0.66).ICU 在室期間の平均(±SE)は,早期静脈栄養群で 9.2±0.8 日であったのに対し,待期静脈栄養群では 6.5±0.4 日であり,待期静脈栄養群では,ICU から早期に生存退室する可能性がどの時点でも高かった(補正ハザード比 1.23,95% CI 1.11~1.37).待期静脈栄養は,早期静脈栄養と比較して,人工呼吸器装着期間が短いこと(P=0.001),腎代替療法を受けた患児の割合が少ないこと(P=0.04),入院期間が短いことに関連した(P=0.001).待期静脈栄養は,早期静脈栄養と比較して,血漿γ-グルタミルトランスフェラーゼ値とアルカリホスファターゼ値が低いこと(それぞれ P=0.001,P=0.04),ビリルビン値と C 反応性蛋白値が高いこと(P=0.004,P=0.006)に関連した.

結 論

重症患児に対して,ICU で静脈栄養を 1 週間行わなかった場合,早期に開始した場合と比較して臨床的に優れていることが示された.(ベルギー・フランダース科学技術イノベーション庁ほかから研究助成を受けた.ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT01536275)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2016; 374 : 1111 - 22. )