April 14, 2016 Vol. 374 No. 15
ピーナッツ摂取早期開始後の除去がピーナッツアレルギーに与える影響
Effect of Avoidance on Peanut Allergy after Early Peanut Consumption
G. Du Toit and Others
アレルギーリスクが高い乳児を対象とした無作為化試験である LEAP 試験では,ピーナッツの摂取を早期に開始した場合に,ピーナッツアレルギーが予防されることが示された.LEAP-On 試験はその追跡調査として,LEAP 試験の期間中にピーナッツを摂取した例(ピーナッツ摂取群)が 12 ヵ月間ピーナッツを除去したあとで,最初から除去した例(ピーナッツ除去群)と比較して,ピーナッツアレルギー有病率が依然として低いかどうかを検討した.
LEAP 試験の終了時に,全例に 12 ヵ月間ピーナッツを除去するよう指示した.主要評価項目は 12 ヵ月後,すなわち生後 72 ヵ月の時点でのピーナッツアレルギー有病率とした.
LEAP 試験を完了した 628 例のうち追跡調査に適格であった 556 例(88.5%)を登録した.そのうち550 例(98.9%)で主要評価項目の完全なデータが得られた.追跡調査における除去の遵守率は高かった(ピーナッツ除去群 90.4%,ピーナッツ摂取群 69.3%).生後 72 ヵ月の時点でのピーナッツアレルギー有病率は,ピーナッツ除去群のほうがピーナッツ摂取群よりも有意に高かった(18.6% [280 例中 52 例] 対 4.8% [270 例中 13 例],P<0.001).アレルギーの新規発症が各群 3 例に認められたが,ピーナッツ摂取群では,12 ヵ月間ピーナッツを除去したあとにアレルギー有病率に有意な上昇は認められなかった(生後 60 ヵ月時 3.6% [274 例中 10 例],生後 72 ヵ月時 4.8% [270 例中 13 例];P=0.25).Ara h2(ピーナッツ蛋白のコンポーネント)特異的 IgE とピーナッツ特異的 IgE が高値の例は,ピーナッツ摂取群のほうがピーナッツ除去群よりも少なかった.また,ピーナッツ摂取群のほうが持続してピーナッツ特異的 IgG4 値が高く,ピーナッツ特異的 IgG4/IgE 比が高かった.
生後 1 年以内にピーナッツ摂取を開始し 5 歳まで摂取を続けたアレルギーリスクが高い小児では,12 ヵ月間ピーナッツ除去を行ってもピーナッツアレルギー有病率は上昇しなかった.より長期的な影響は不明である.(米国国立アレルギー感染症研究所ほかから研究助成を受けた.LEAP-On 試験:ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT01366846)