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April 28, 2016 Vol. 374 No. 17

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中等度リスク患者における経カテーテル大動脈弁置換術と外科的大動脈弁置換術との比較
Transcatheter or Surgical Aortic-Valve Replacement in Intermediate-Risk Patients

M.B. Leon and Others

背景

先行研究において,高度リスクの大動脈弁狭窄症患者に,経カテーテル大動脈弁置換術(TAVR)を施行した場合と,外科的大動脈弁置換術を施行した場合とで,生存率は同程度であることが示されている.中等度リスクの患者に,これら 2 つの手技を評価する無作為化試験を行った.

方 法

57 施設において,中等度リスクの重症大動脈弁狭窄症患者 2,032 例を,TAVR を施行する群と外科的大動脈弁置換術を施行する群に無作為に割り付けた.主要エンドポイントは,術後 2 年の時点での全死因死亡または障害を伴う脳卒中とした.「TAVR は外科的置換術と比較して非劣性である」を主要仮説とした.無作為化前に,臨床所見と画像所見に基づき,経大腿動脈アプローチコホート(76.3%)と経胸腔アプローチコホート(23.7%)に割り当てた.

結 果

全死因死亡または障害を伴う脳卒中の発生率は,TAVR 群と外科的置換術群とで同程度であった(非劣性について P=0.001).術後 2 年の時点で,Kaplan–Meier 法によるイベント発生率は,TAVR 群 19.3%,外科的置換術群 21.1%であった(TAVR 群のハザード比 0.89,95%信頼区間 [CI] 0.73~1.09,P=0.25).経大腿動脈アプローチコホートでは,TAVR のほうが,外科的置換術よりも死亡または障害を伴う脳卒中の発生率が低かったが(ハザード比 0.79,95% CI 0.62~1.00,P=0.05),経胸腔アプローチコホートでは同程度であった.TAVR では,外科的置換術よりも大動脈弁口面積が大きく,また,急性腎障害,重度の出血,新規心房細動の発生率が低かった.外科的置換術では,TAVR よりも重大な血管合併症と大動脈弁周囲逆流が少なかった.

結 論

中等度リスクの重症大動脈弁狭窄症患者において,TAVR は,主要エンドポイントとした死亡または障害を伴う脳卒中の発生率に関して,外科的大動脈弁置換術と同程度であった.(Edwards Lifesciences 社から研究助成を受けた.PARTNER 2 試験:ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT01314313)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2016; 374 : 1609 - 20. )