The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

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日本語アブストラクト

May 19, 2016 Vol. 374 No. 20

テロメア疾患に対するダナゾール治療
Danazol Treatment for Telomere Diseases

D.M. Townsley and Others

背景

テロメアの維持・修復の責任遺伝子の異常は,骨髄不全,肝硬変,肺線維症の原因となり,癌に対する感受性を高める.歴史的には,アンドロゲンが骨髄不全症候群の治療に有用とされてきた.組織培養と動物モデルでは,性ホルモンがテロメラーゼ遺伝子の発現を調節している.

方 法

テロメア疾患の患者を対象とする第 1・2 相前向き試験で,合成性ホルモンのダナゾールを 1 日 800 mg,24 ヵ月間経口投与した.治療目標は,加速しているテロメア短縮を抑制することとし,主要有効性エンドポイントは,24 ヵ月の時点でのテロメアの年間の短縮が 20%減少することとした.治療による毒性を主要安全性エンドポイントとした.さまざまな時点で評価した治療の血液学的効果を,副次的有効性エンドポイントとした.

結 果

27 例を登録した時点で,主要エンドポイントを評価しえた 12 例全例でテロメア短縮が減少していたことから,試験は早期に中止された.intention-to-treat 解析では,主要有効性エンドポイントを達成したのは 27 例中 12 例(44%,95%信頼区間 [CI] 26~64)であった.予想外に,24 ヵ月の時点で,ほぼすべての患者(12 例中 11 例,92%)でベースラインと比較してテロメアの伸長が認められ(平均で 386 bp [95% CI 178~593] の伸長),探索的解析にて,6 ヵ月の時点でも(21 例中 16 例,平均で 175 bp [95% CI 79~271] の伸長),12 ヵ月の時点でも(18 例中 16 例,平均で 360 bp [95% CI 209~512] の伸長),伸長が認められた.血液学的効果は,3 ヵ月の時点で評価しえた 24 例中 19 例(79%),24 ヵ月の時点で評価しえた 12 例中 10 例(83%)で認められた.ダナゾールの既知の有害作用である肝酵素上昇と筋痙攣は,それぞれ 41%,33%に認められたが,いずれもグレード 2 以下であった.

結 論

この試験では,テロメア疾患の患者に対するダナゾール治療によってテロメア伸長がもたらされた.(米国国立衛生研究所から研究助成を受けた.ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT01441037)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2016; 374 : 1922 - 31. )