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April 20, 2017 Vol. 376 No. 16

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中等症~重症の尋常性乾癬に対するリサンキズマブとウステキヌマブとの比較
Risankizumab versus Ustekinumab for Moderate-to-Severe Plaque Psoriasis

K.A. Papp and Others

背景

インターロイキン-23 は乾癬の発症機序に重要な役割を果たしていると考えられている.リサンキズマブ(risankizumab)(BI 655066)は,p19 サブユニットを特異的に標的とすることでインターロイキン-23 を阻害し,インターロイキン-23 のシグナル伝達を抑制するヒト化 IgG1 モノクローナル抗体である.ウステキヌマブは,インターロイキン-12 およびインターロイキン-23 の阻害薬である.われわれは,中等症~重症の尋常性乾癬患者を対象にこの 2 剤を比較した.

方 法

166 例を,リサンキズマブ皮下注射(18 mg を 0 週の時点で単回投与するか,90 mg または 180 mg を 0,4,16 週の時点で投与する)群と,ウステキヌマブ皮下注射(体重により 45 mg または 90 mg を 0,4,16 週の時点で投与する)群に無作為に割り付けた.主要エンドポイントは,12 週の時点における乾癬の面積・重症度指数(PASI)スコアのベースラインから 90%以上の低下とした.

結 果

12 週の時点で,PASI スコアが 90%以上低下した患者の割合は,リサンキズマブ群(90 mg 群と 180 mg 群を合わせた)では 77%(83 例中 64 例)であったのに対し,ウステキヌマブ群では 40%(40 例中 16 例)であった(P<0.001).PASI スコアが 100%低下した患者の割合は,リサンキズマブ 90 mg 群+180 mg 群では 45%であったのに対し,ウステキヌマブ群では 18%であった.有効性は,リサンキズマブ 90 mg または 180 mg の最終投与から,最長 20 週間はおおむね維持された.重篤な有害事象はリサンキズマブ 18 mg 群では 5 例(12%),リサンキズマブ 90 mg 群では 6 例(15%),ウステキヌマブでは 3 例(8%)に発生し,基底細胞癌 2 件,主要心血管イベント 1 件が含まれた.リサンキズマブ 180 mg 群では重篤な有害事象は認められなかった.

結 論

今回の第 2 相試験では,リサンキズマブによるインターロイキン-23 の選択的阻害は,ウステキヌマブよりも優れた臨床反応に関連した.今回の試験は,安全性に関する結論を導くには,規模と期間が十分ではなかった.(Boehringer Ingelheim 社から研究助成を受けた.ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT02054481)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2017; 376 : 1551 - 60. )