April 27, 2017 Vol. 376 No. 17
若年性特発性関節炎におけるぶどう膜炎に対するアダリムマブとメトトレキサートの併用
Adalimumab plus Methotrexate for Uveitis in Juvenile Idiopathic Arthritis
A.V. Ramanan and Others
完全ヒト型抗腫瘍壊死因子αモノクローナル抗体アダリムマブは,若年性特発性関節炎(JIA)の治療に有効である.JIA 関連ぶどう膜炎の治療におけるアダリムマブの有効性を検討した.
多施設共同二重盲検無作為化プラセボ対照試験で,活動性 JIA 関連ぶどう膜炎を有する 2 歳以上の小児・思春期患者を対象に,アダリムマブの有効性と安全性を評価した.一定用量のメトトレキサート投与を受けている患者を,アダリムマブ(体重により 20 mg または 40 mg)群とプラセボ群に 2:1 の割合で無作為に割り付け,それぞれ 2 週ごとに皮下投与した.治療失敗または 18 ヵ月経過するまで試験レジメンを継続した.無作為化後,最長 2 年間追跡した.主要エンドポイントは治療失敗までの期間とし,ぶどう膜炎用語標準化(SUN)基準に基づく多項目眼内炎症スコアで判定した.
必要症例数 114 例のうち 90 例を登録した時点で,事前に規定した中止基準に達した.治療失敗は,アダリムマブ群では 60 例中 16 例(27%)に認められたのに対し,プラセボ群では 30 例中 18 例(60%)に認められた(ハザード比 0.25,95%信頼区間 [CI] 0.12~0.49,P<0.0001 [事前に規定した中止基準の境界]).有害事象が報告された頻度は,アダリムマブ投与例のほうがプラセボ投与例よりも高く(1 患者年あたり 10.07 件 [95% CI 9.26~10.89] 対 6.51 件 [95% CI 5.26~7.77]),重篤な有害事象も同様であった(1 患者年あたり 0.29 件 [95% CI 0.15~0.43] 対 0.19 件 [95% CI 0.00~0.40]).
一定用量のメトトレキサート投与を受けている活動性 JIA 関連ぶどう膜炎の小児・思春期患者において,アダリムマブ療法は炎症を抑制し,プラセボよりも低い治療失敗率に関連した.アダリムマブ投与例では,有害事象と重篤な有害事象の発現率がプラセボ投与例よりもはるかに高かった.(英国国立健康研究所医療技術評価プログラム,英国関節炎研究から研究助成を受けた.SYCAMORE 試験:EudraCT 登録番号 2010-021141-41)