The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

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日本語アブストラクト

May 25, 2017 Vol. 376 No. 21

心臓手術を受ける左室機能不全患者におけるレボシメンダン
Levosimendan in Patients with Left Ventricular Dysfunction Undergoing Cardiac Surgery

R.H. Mehta and Others

背景

レボシメンダン(levosimendan)は,心臓手術後の低心拍出量症候群を予防・治療することが小規模試験で示されている強心薬である.

方 法

多施設共同無作為化プラセボ対照第 3 相試験で,人工心肺を用いた心臓手術を受ける,左室駆出率 35%以下の患者を対象にレボシメンダンの有効性と安全性を評価した.患者を,レボシメンダンを静脈内投与する群(0.2 mg/kg/分を 1 時間,次に 0.1 mg/kg/分を23 時間投与)と,プラセボを投与する群に無作為に割り付け,手術前に投与を開始した.2 つの主要エンドポイントは,30 日目までの死亡・30 日目までの腎代替療法・5 日目までの周術期心筋梗塞・5 日目までの機械的心臓補助装置使用の 4 項目の複合と,30 日目までの死亡・5 日目までの機械的心臓補助装置使用の 2 項目の複合とした.

結 果

無作為化された 882 例のうち,849 例がレボシメンダンまたはプラセボの投与を受け,修正 intention-to-treat 解析の対象となった.4 項目の主要エンドポイントは,レボシメンダン群 428 例中 105 例(24.5%)とプラセボ群 421 例中 103 例(24.5%)に発生した(補正オッズ比 1.00,99%信頼区間 [CI] 0.66~1.54,P=0.98).2 項目の主要エンドポイントは,レボシメンダン群 56 例(13.1%)とプラセボ群 48 例(11.4%)に発生した(補正オッズ比 1.18,96% CI 0.76~1.82,P=0.45).有害事象の発現率に群間で有意差は認められなかった.

結 論

レボシメンダンの予防投与を行っても,人工心肺を用いた心臓手術を受ける,左室駆出率が低下した患者の死亡,腎代替療法,周術期心筋梗塞,機械的心臓補助装置使用から成る短期複合エンドポイントの発生率は,プラセボより低くはならなかった.(Tenax Therapeutics 社から研究助成を受けた.LEVO-CTS 試験:ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT02025621)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2017; 376 : 2032 - 42. )