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July 27, 2017 Vol. 377 No. 4

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転移性去勢感受性前立腺癌に対するアビラテロンとプレドニゾンの併用
Abiraterone plus Prednisone in Metastatic, Castration-Sensitive Prostate Cancer

K. Fizazi and Others

背景

内因性アンドロゲン合成阻害薬アビラテロン酢酸エステルとプレドニゾン(prednisone)の併用投与は,転移性去勢抵抗性前立腺癌に適用される.われわれは,新規に診断された転移性去勢感受性前立腺癌患者に対して,アンドロゲン除去療法に加えてアビラテロン酢酸エステルとプレドニゾンを併用した場合の臨床的利益を評価した.

方 法

二重盲検プラセボ対照第 3 相試験において,患者 1,199 例を,アンドロゲン除去療法にアビラテロン酢酸エステル(1,000 mg/日とし,250 mg 錠 4 錠を 1 日 1 回)とプレドニゾン(5 mg/日)を追加する群(アビラテロン群)と,アンドロゲン除去療法に 2 種類のプラセボを追加する群(プラセボ群)に無作為に割り付けた.主要エンドポイントは全生存期間と放射線学的無増悪生存期間の 2 項目とした.

結 果

計画された中間解析の時点(406 例が死亡した時点)で,追跡期間中央値は 30.4 ヵ月であり,全生存期間中央値はアビラテロン群のほうがプラセボ群より有意に長かった(未到達 対 34.7 ヵ月)(死亡のハザード比 0.62,95%信頼区間 [CI] 0.51~0.76,P<0.001).放射線学的無増悪生存期間中央値はアビラテロン群 33.0 ヵ月,プラセボ群 14.8 ヵ月であった(病勢進行または死亡のハザード比 0.47,95% CI 0.39~0.55,P<0.001).副次的エンドポイントのすべての項目でアビラテロン群で有意に良好な結果が認められた.副次的エンドポイントは,疼痛増悪までの期間,前立腺癌に対して次の治療が行われるまでの期間,化学療法開始までの期間,前立腺特異的抗原値で進行と判定されるまでの期間(すべての比較で P<0.001),症候性骨関連イベントが次に発生するまでの期間(P=0.009)であった.これらの所見から,独立データ安全性モニタリング委員会は全会一致で,盲検を解除し,プラセボ群の患者がアビラテロン群にクロスオーバーできるようにすべきであると勧告を出した.グレード 3 の高血圧と低カリウム血症の出現率はアビラテロン群のほうが高かった.

結 論

新規に診断された転移性去勢感受性前立腺癌患者に対して,アンドロゲン除去療法にアビラテロン酢酸エステルとプレドニゾンを併用することで,全生存期間と放射線学的無増悪生存期間が有意に延長した.(Janssen Research and Development 社から研究助成を受けた.LATITUDE 試験:ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT01715285)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2017; 377 : 352 - 60. )