The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

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日本語アブストラクト

August 3, 2017 Vol. 377 No. 5

FLT3 変異を有する急性骨髄性白血病患者に対するミドスタウリンと化学療法の併用
Midostaurin plus Chemotherapy for Acute Myeloid Leukemia with a FLT3 Mutation

R.M. Stone and Others

背景

FLT3 変異を有する急性骨髄性白血病(AML)患者の転帰は不良である.われわれは,この集団の全生存期間が,FLT3 変異を有する患者で活性を示す複数標的キナーゼ経口阻害薬ミドスタウリン(midostaurin)を標準化学療法に追加することで延長するかどうかを明らかにするために第 3 相試験を行った.

方 法

新たに AML と診断された 18~59 歳の患者 3,277 例を対象に,FLT3 変異のスクリーニングを行った.患者を,標準化学療法(ダウノルビシンとシタラビンによる導入療法と,高用量シタラビンによる地固め療法)に,ミドスタウリンを追加する群とプラセボを追加する群に無作為に割り付けた.地固め療法後に寛解状態にあった患者は,ミドスタウリンまたはプラセボを投与する維持期に移行した.無作為化は,FLT3 変異のサブタイプで層別化して行った.FLT3 サブタイプは,チロシンキナーゼドメイン(TKD)の点変異と,野生型アレルに対する変異型アレルの割合が高い(>0.7)または低い(0.05~0.7)遺伝子内縦列重複(ITD)変異(それぞれ ITD [高],ITD [低])とした.同種移植は施行可能とした.主要評価項目は全生存期間とした.

結 果

717 例が無作為化され,360 例がミドスタウリン群に,357 例がプラセボ群に割り付けられた.FLT3 サブタイプは ITD(高)が 214 例,ITD(低)が 341 例,TKD が 162 例であった.治療群間で年齢,人種,FLT3 サブタイプ,細胞遺伝学的リスク,血球数に偏りはなかったが,性別には偏りがあった(女性の割合はミドスタウリン群 51.7% に対しプラセボ群 59.4%,P=0.04).全生存期間は,ミドスタウリン群のほうがプラセボ群よりも有意に長く(死亡のハザード比 0.78,片側 P=0.009),無イベント生存期間についても同様であった(イベントまたは死亡のハザード比 0.78,片側 P=0.002).主要解析,および患者が移植を受けた時点でデータを打ち切った場合の解析のいずれにおいても,ミドスタウリンの利益は全 FLT3 サブタイプで一貫して認められた.重度の有害事象の発現率は 2 群で同程度であった.

結 論

FLT3 変異を有する AML 患者において,複数標的キナーゼ阻害薬ミドスタウリンを標準化学療法に追加することで,全生存期間と無イベント生存期間が有意に延長した.(米国国立がん研究所,Novartis 社から研究助成を受けた.ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT00651261)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2017; 377 : 454 - 64. )