The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

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日本語アブストラクト

April 30, 2020 Vol. 382 No. 18

経カテーテル大動脈弁置換術後の抗凝固療法へのクロピドグレル併用と非併用との比較
Anticoagulation with or without Clopidogrel after Transcatheter Aortic-Valve Implantation

V.J. Nijenhuis and Others

背景

経カテーテル大動脈弁置換術(TAVI)後に抗凝固療法を単独で行った場合と,抗血小板薬と併用した場合の役割は十分に研究されていない.

方 法

適切な適応症に対する経口抗凝固療法中に TAVI を受ける患者を対象に,クロピドグレルの無作為化試験を行った.TAVI 施行前に,患者をクロピドグレル投与を行わない群と 3 ヵ月間行う群に 1:1 の割合で割り付けた.主要転帰は,12 ヵ月間における全出血と手技に関連しない出血の 2 つとした.手技に関連する出血は,出血学術研究協議会(BARC)タイプ 4 の重度の出血と定義した.したがって,穿刺部出血の大部分は,手技に関連しない出血と判定された.副次的転帰は,12 ヵ月の時点における心血管系の原因による死亡,手技に関連しない出血,脳卒中,心筋梗塞の複合(副次的複合転帰 1)と,心血管系の原因による死亡,脳梗塞,心筋梗塞の複合(副次的複合転帰 2)の 2 つとし,いずれも非劣性(非劣性マージン 7.5 パーセントポイント)と優越性の検定を行った.

結 果

出血は,経口抗凝固療法を単独で受けた 157 例中 34 例(21.7%)と,経口抗凝固療法+クロピドグレル投与を受けた 156 例中 54 例(34.6%)に発生した(リスク比 0.63,95%信頼区間 [CI] 0.43~0.90,P=0.01).出血イベントの大部分は TAVI のカテーテル挿入部位に発生した.手技に関連しない出血は,それぞれ 34 例(21.7%)と 53 例(34.0%)に発生した(リスク比 0.64,95% CI 0.44~0.92,P=0.02).出血の大部分は最初の 1 ヵ月間に発生し,軽度であった.副次的複合転帰 1 のイベントは,経口抗凝固療法を単独で受けた 49 例(31.2%)と,経口抗凝固療法+クロピドグレル投与を受けた 71 例(45.5%)に発生した(差 -14.3 パーセントポイント,非劣性の 95% CI -25.0~-3.6,リスク比 0.69,優越性の 95% CI 0.51~0.92).副次的複合転帰 2 のイベントは,それぞれ 21 例(13.4%)と 27 例(17.3%)に発生した(差 -3.9 パーセントポイント,非劣性の 95% CI -11.9~4.0,リスク比 0.77,優越性の 95% CI 0.46~1.31).

結 論

経口抗凝固療法中に TAVI を受ける患者の術後 1 ヵ月間または 1 年間の重篤な出血の発生率は,経口抗凝固療法を単独で行ったほうが,経口抗凝固療法+クロピドグレル投与を行った場合よりも低かった.(オランダ健康研究開発機構から研究助成を受けた.POPular TAVI 試験:EU Clinical Trials Register 番号 2013-003125-28,ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT02247128)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2020; 382 : 1696 - 707. )